第16回台湾総統選挙が行われ、

民進党の頼清徳氏が当選しました。

 

陰に陽にと

中国からの圧力があったものの、

台湾市民が選んだのは

「中国との融和」

と言えば大人な表現で、

台湾を中国の一地方にしようとする

国民党ではありませんでした。

 

中国は早速、

 

「選挙結果に関わらず台湾は中国の一部」

 

と声明を出していますし、

今後益々政治的、軍事的緊張は

高まると予想されます。

 

それは今までの台湾海峡を巡る危機を

遥かに上回る危機かもしれません。

 

 

国民党選出の総統ではあるものの、

民主化を進めていた李登輝氏の下で、

1996年の第9回台湾総統選挙から

現在の直接選挙となりました。

 

この動きを警戒した中国は

選挙前に台湾近海に

演習と称してミサイルを撃ち込むなど、

目に見える圧力をかけました。

 

これに対してアメリカ海軍は

空母インディペンデンスや、

空母ニミッツを中心とする

空母打撃群を台湾海峡に派遣します。

 

このアメリカの圧倒的軍事力を前に、

中国は沈黙するしかなくなります。

 

ここで重要なのは、

アメリカの海軍力、航空兵力に

中国が軍事的に圧倒された、

という事実です。

 

これ以降、

中国が野心的な動きを見せると、

アメリカ海軍が台湾海峡に派遣され、

中国が黙る、

という動きがパターン化しました。

 

しかし、

大国中国はしたたかに、

そして着実に力を付けて行きます。

 

海軍力、空軍力の無さを実感した中国は、

長期的視野に立った

軍事力強化に取り組みます。

 

 

まず海域を

「第一列島線」

「第二列島線」

で区切りました。

 

「第一列島線」とは、

沖縄-台湾-フィリピンのライン。

 

「第二列島線」とは、

小笠原諸島-マリアナ諸島のラインです。

 

そして、

「A2AD」という戦略を立てます。

 

内容は、

「第一列島線」より内側の海域への

西側勢力の「接近阻止」

「第二列島線」より内側海域での

西側勢力の自由行動を阻害する

領域拒否」という

2本立て戦略です。

 

つまり、

第一列島線までの海域を

中国の勢力圏内に置き、

第二列島線内の海域で

互角に争う戦略です。

 

その為に海軍力、航空兵力の

強化に取り組み、

第9回台湾総統選挙後には、

2020年代には

海軍力、航空戦力で米国に追い付き

第一列島線内を勢力圏に取り込み、

2040年代には

米軍を上回る戦力を得て

第二列島線内も勢力圏に取り込み、

以降太平洋のアメリカ側で

アメリカと対峙する戦略を立てました。

 

その為の

航空戦力の拡充計画も、

国産空母の建造計画も、

2020年代を迎えたこの時点までは

中国の計画通りに進んでいます。

 

最新鋭戦闘機の機数が

航空自衛隊の戦力を上回った

2000年代後半から、

中国軍機に対する

航空自衛隊のスクランブル回数が

飛躍的に増加し、

目に見えて日本に対する

軍事的圧力が増していますし、

中国海軍艦艇による

沖縄通過や津軽海峡通過などの事案が

毎年のように発生するようになりました。

 

この段階では

日米がどこまでやってくるのか、

レッドラインの確認でもあり、

日米海軍の実力、本気度を試す

お手並み拝見でもありますが、

それが出来る程まで

中国の海軍力、航空戦力は

着実に拡充しています。

 

アメリカに追い付き、

台湾を含む第一列島線内を

中国勢力圏取り込むとする

2020年代の台湾総統選挙が

先日の選挙でしたので、

1996年の選挙の後とは、

明らかに異なる圧力で

中国は台湾問題に関与してくるでしょう。

 

軍事力では既に日本を上回っていますし、

アメリカの空母打撃群の展開や

英仏豪などの軍艦による圧力も、

南シナ海では既に通用しなくなっています。

 

 

現在、

そのアメリカの空母打撃群が

イエメンで

フーシ派への攻撃を行っています。

 

イスラエルの問題を、

アメリカが中東イエメンにまで

拡大させました。

 

ただ、これが示すのは、

アメリカの空母打撃群の展開が

大きな価値を生むのが

十分な航空戦力を持たない、

アメリカが「武装勢力」と呼ぶ

相手に対してのみである事です。

 

 

既に南シナ海において

空母打撃群の展開は、

中国の海洋進出に対して

何の抑止力にもならなくなりました。

 

しかも、

台湾海峡となれば、

遠路派遣される

空母打撃群の航空兵力しか

持たないアメリカ海軍に対し、

中国は空母搭載航空兵力を使わずとも、

中国本土沿岸に展開する多数の

戦闘機も、ミサイルも使うことが出来、

むしろ派遣された空母打撃群の方が

劣勢に陥ります。

 

 

2040年代に

マリアナ諸島までの覇権を奪い、

2050年代以降アメリカに勝利する

その日に向けて着実に

戦力拡充を続ける中国と、

未だ自衛隊を国軍にも出来ない日本、

自国の利益にならずと踏めば

アフガニスタンをはじめ

支援する各国の勢力も見捨てるアメリカ。

 

さらにNATOを相手にしながら

戦局を優勢に進め

自信と戦訓を得て進化するロシア、

そして北朝鮮が

中国側に付く事は明らかですので、

北東アジア情勢は益々緊迫していく

2020年代後半になると思われます。

 

 

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