記事のタイトルは、

日本史を知る人には

馴染みのフレーズかと思います。

 

太平洋戦争直前の御前会議終了後、

海軍の永野修身軍令部総長が

発した言葉の一部です。

 

対米戦争において、

戦わなければ亡国

との軍部の判断に対し、

戦う事もまた亡国に

繋がるかもしれない、

と戦前の段階で述べています。

 

ただし、

戦わずして国が滅んだ場合は、

魂まで失う真の亡国となる、と結び、

開戦を支持します。

 

このフレーズは、安全保障における

1つの側面の真実を突いています。

 

 

多少の抵抗はあれど、

大きく戦わずして

併呑された国や文化たち。

 

その多くは世界史の奥に消えて行きます。

 

 

他方、

勝てぬ戦を戦い続ければどうなるのか。

 

それもまた太平洋戦争での

日本を顧みれば分かります。

 

戦死者、

爆撃等による市民の死者の大多数は、

敗北が決定的になった

1944年のマリアナ沖海戦以降の

1年程の間の被害です。

 

それまでもジリジリと

敗北に向けて進んではいましたが、

互角から少々劣勢の中での

プロの軍人同士での戦いであり、

「戦争」を行っていました。

 

しかし、

現状認識が出来なくなり、

「大本営発表」で

虚報に近い情報が提示され、

まだ勝てる!!との楽観論から

作戦とも呼べない

「特攻」と「玉砕」を繰り出し、

最終的には米軍によって

軍も国土・国民全てが

「戦争」では無く「蹂躙」される

結果となった事は歴史の通りです。

 

明らかなる指導層の

情報分析ミスと判断ミスによって、

不必要なまでの亡国を招きました。

 

 

さて、

現在のウクライナ戦局。

 

私の収集している情報では、

ウクライナ側不利の状況が

長らく入って来ていますが、

日本メディアを賑わすのは

ウクライナ軍有利の情報ばかり。

 

自衛隊OB、

安全保障関連の有識者などから

発せられる情報もまた

ウクライナ軍の優勢を

伝えるものばかりです。

 

そのウクライナを軍事的に支えている

欧米メディアでは、

徐々に楽観論は消え、

ウ軍の失敗や暗い見通しが

報じられるようになってきました。

 

ウ軍のトップ自身が、

反転攻勢の行き詰まりを

メディアで明確に認めていますが、

ウクライナ大統領によって

その見解を否定され、

政・軍間の不協和音も露呈し、

そこもまた欧米メディアによって

不安要素として報じられています。

 

はっきりとウクライナ軍による

反転攻勢は失敗しました。

 

欧米から供与された戦車群を

地雷原に突っ込ませ、

次々と撃破されほぼ全滅する映像は

世界に衝撃を与えました。

 

ウ軍トップ自らが、

欧米から供与された戦車群で

反転攻勢をする作戦は開始4日で諦めた、

と述べていますが、

大統領はまだ勝ちの途中と譲りません。

 

南部反転攻勢を企図しながら

東部前線にも兵力を割き、

どっちつかずの作戦により

南部でも東部でも兵力不足を招きました。

 

陥落寸前の要衝の都市に兵力を送り続け、

「まだ負けていない」と

都市全体の中の

ある丁目の一角に残り主張し続け、

南部攻勢に必要だった人員を失い、

結果として要衝都市も失います。

 

ウクライナ要人の訪米に合わせて、

戦略的に重要な大河を渡河し

ロシア側支配地域に橋頭保を築きました。

 

この成果を持って

アメリカと交渉しますが、

その作戦に戦略的な価値はほぼ無く、

そして兵員、物資の輸送が困難な

戦争中の対岸への渡河ですから、

ロシア側は

橋頭保の構築は敢えて許した上で、

そこに集中的に砲撃を加えれば

続々と上陸する「特攻部隊」を

粛々と撃滅させる状況になっています。

 

ウクライナ大統領の

先日の訪米に合わせても、

戦略的に完全に無価値な、

双方ともにそこを巡って

争っていなかった炭鉱のぼた山の1つを

夜間に特殊部隊で襲撃して

山頂に国旗を立てる「成果」を上げます。

 

大統領は

「ロシア占領地を解放した」

と宣伝して

アメリカとの交渉に臨みましたが、

その頃にはその旗は当然ながら

ロシア兵によって抜かれています。

 

 

この戦争が、

他国からの軍事物資の支援によってのみ

継続が可能となる

「投げ銭」戦争である以上、

ウクライナ大統領としては

支援者を安心させる「成果」と、

バズる「映像」が必要となります。

 

そして、

その為に投じられるのが

無価値な目標に突撃を掛けさせられる

「特攻隊」であり、

そこでの成果は必要以上に盛られ

「大本営発表」化しています。

 

メディア受けする都市では

敗色濃厚でも撤退は許されずに、

かつてのガダルカナル島のように

細々と輸送を続け、

「玉砕」状態にまで

追い込まれていますし、

日本がかつて歩いてしまった道と

よく似ています。

 

物量に勝るロシア相手に

不用意な作戦で損失を出し続け、

損失の限界点を過ぎてしまえば、

反撃能力を失ったウ軍が

「蹂躙」される段階にさえ

陥る危険性はあります。

 

 

そして、

私が何よりも危惧するのが、

そんな状況の中でも、

日本メディアが伝える

「ウクライナ軍の戦果」

ばかりの強調です。

 

「大本営発表」を

自衛隊関係者も含めて報じ続け、

SNSでは

ウクライナ支援の声が上がります。

 

ウ軍のトップが4日で諦めた作戦も

成功していないと認める南部攻勢も、

日本で最も軍事情報を持つはずの

防衛省・自衛隊の関係やOBが

軍事作戦成功中!!と

テレビで太鼓判を押し続けて来ました。

 

1944年の日本から、

何も変わっていないんです。

 

ウクライナを応援する事と、

絶滅覚悟で勝利を信じてね、

は別の次元の話です。

 

相手が悪である以上、

最後は正義が勝つ!!

だからどんな犠牲をも厭うな!!

 

の論調で亡国に至ったかつての日本。

 

そして同じ論調で

ウクライナ優勢と応援を伝える

現在の日本。

 

10年後、20年後の日本が、

中国の「日本省」になるのも、

ロシアの日本州になるのも

望みませんが、

その為の科学的な対策ではなく、

今の日本の論調ならば、

官・民・軍ともに

精神論を論拠に勝てると思い込み

特攻と玉砕を

繰り返すのではないかと

危惧してしまいます。

 

 

 

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