日本海軍の「戦艦」の名前としては、

「大和」「武蔵」が

圧倒的知名度を誇り、

「長門」以下太平洋戦争を戦った12隻、

日本海海戦の旗艦「三笠」などが

有名だと思います。

 

日本の戦艦の名として

「初瀬」「八島」

の名を挙げられる人は

日本史好き、軍艦好きなど

少ないと思われます。

 

 

そんな2隻の

旧日本海軍の戦艦の名前が先日、

ロシア人軍事ブロガーの

投稿に出て来ました。

 

 

先日、ロシア軍は

航空機2機、ヘリコプター2機を

同じ日にロシア領内ながら

ウクライナ戦線で失います。

 

真相は未だ不明ですが、

ミサイルが当たったような動画もあり、

撃墜されたものと考えられています。

 

これに対する

ロシア人軍事ブロガーの考察として、

 

「任務の活発化と単調さ」

 

を挙げており、その例として

 

「日露戦争における初瀬、八島」

 

と続きます。

 

 

日露戦争時、

日本海軍には戦艦が6隻いました。

 

三笠、富士、敷島、朝日、初瀬、八島です。

 

この6隻で戦うべきロシア艦隊が、

旅順艦隊

ウラジオストク艦隊

そしてバルチック艦隊です。

 

後に1905年の日本海海戦を戦う

バルチック艦隊が

ヨーロッパのバルト海から

日本海にまで進出してくる前に、

旅順艦隊、ウラジオストク艦隊と戦い、

勝たなければいけない制約が

日本側にはあり、

1904年の日露戦争開戦直後から

日本海軍は旅順艦隊との決戦に向けて

進出していました。

 

一方の旅順艦隊は

要塞に囲まれた旅順港の奥深くに

待機する事で戦力を温存しました。

 

こうして攻め手を失い

旅順港の中と外での

にらみ合い状態となり、

日本海軍は日々の警戒監視を

旅順港近くで行うようになります。

 

任務は重要で

活発的に行動しているものの、

マンネリ化してきていた

119年前の今日、1904年5月15日、

初瀬、八島、敷島の戦艦3隻を含む部隊が

旅順港近くで作戦行動中、

ロシア側が敷設した機雷に

初瀬、八島が接触、

両戦艦は沈没する事となりました。

 

天気にも恵まれた同日、

乗組員は全く警戒することなく

航行していたとされますので、

行動の重要性に対する

マンネリ化が招いた過失でした。

 

同日は味方同士の衝突により

巡洋艦「吉野」も沈没、

初瀬、八島の生存者を収容した

「龍田」も座礁するなど

海軍の厄日となりました。

 

6隻の戦艦で

3つのロシア艦隊と戦う

任務を負っていた日本海軍ですが、

決戦以前に2隻の戦艦を失うという

非常事態に陥ったのがこの事件でした。

 

歴史としては、

その後旅順艦隊との黄海海戦、

バルチック艦隊との日本海海戦と

ロシア艦隊に相次いで勝利し、

日露戦争を勝ち切ることが出来ましたが、

危ない勝利でもありました。

 

 

それから40年、

太平洋戦争時の

ガダルカナル島を巡る戦いの折、

日本海軍は戦艦部隊を投入し、

ガダルカナル島の飛行場を砲撃する

作戦を実施していました。

 

確かな戦果も挙げながら、

繰り返される同作戦について

説明された昭和天皇は

 

「『初瀬』、『八島』の如きことなきや

警戒を要する」

 

と海軍の作戦に

珍しく注文を出しますが、

この昭和天皇の言葉が

南太平洋の現場に伝わった時には、

戦艦「比叡」と「霧島」は

ガダルカナル島沖で沈没し、

この懸念が的中した形となりました。

 

 

日露戦争から

120年となろうとする2023年、

戦艦「初瀬」「八島」の名を知る

日本人は少ないと思います。

 

しかし、軍事を専門とする

日露戦争の一方の当事国である

ロシア人だからか、

 

「マンネリ化した重要作戦における

警戒低下による損失」

 

という非常に的確な分析の例として

120年前の日本の戦艦の名が

出て来ました。

 

 

昭和天皇も懸念し、

それが悪い形で証明された

「マンネリ化の先の損失」、

軍事であれ、ビジネスであれ、

投資や日々の注意事項であれ、

作戦と戦略のある所、

起こり得る事象ですから、

今一度「初瀬」「八島」の名と教訓は、

日本人も

思い出しても良いのかもと思います。

 

 

 

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