何故戦争が起こるのか。

 

その大半が土地を巡る争いです。

 

領土拡張は、

本質的には支配欲以前に

「生産性」を巡る

生存戦略となります。

 

 

大草原の小さな家の

主だと想像してみて下さい。

 

見渡す限り何もありません。

 

自分と家族が食べていく為には、

食糧を自給する必要があり、

水を確保する必要もあります。

 

火が無ければ暖も取れず、

調理も出来ない為、

木材も必要ですし、

その木材が家にもなります。

 

「その土地に住む」とは、

開墾・狩猟できる土地、

水源、火力が必要となります。

 

そしてその為の労力は、

この時点ではマンパワーに依存します。

 

人の数がそのまま労働力となり、

土地の生産性となります。

 

 

土地そのものに生産性があり、

それを生かすには労働力が必要であり、

その人が生きていく為に

やはり土地が必要となります。

 

 

桶狭間の戦いと言うと、

今川義元の大軍に

小領主織田信長が立ち向かった、

というのが一般的なイメージですが、

今川家が治める駿河は15万石、

対する織田家の尾張は

57万石あります(太閤検地時代)。

 

1万石で250人の兵力動員数と

一般的に計算されますので、

今川家単体での一般動員数は4000人弱。

 

対する織田家は

尾張の半分ほどだとして7000人程、

尾張統一となれば

1万4000人程になります。

 

今川家としては、

支配下にあった

松平家の三河が29万石=7000人ほど、

遠江が25万石=6000人程で、

配下武将に寝返られるだけでも、

自国だけでは戦えない石高でした。

 

軍事ポテンシャルとしては、

織田家、松平家、今川家

の順になるんですよね。

 

今川家としては、

信長が尾張を統一してしまうと、

自国の安全保障に関わってきますし、

成人武将になってきた

徳川家康(当時松平)が

三河で独立でもされたら、

それだけでも

駿河の存亡に関わる事態となり、

尾張を取り大国になる必要がありました。

 

桶狭間の戦いの後、独立した家康が、

旧主今川家を裏切り

遠江、駿河と侵攻したのは、

三河よりも大国である

織田家と敵対するよりも、

小国である駿河の今川家と敵対した方が

勝てると見越したからとなります。

 

土地が直接的に安全保障に関わる

好例の1つが、桶狭間の戦い前後の

大名たちの動きにあります。

 

 

また、

土地の生産性という点から言えば、

全ての生産が

人的労働力で行われていた時代から、

徐々に変化が生まれます。

 

馬や牛を労働に用いますが、

これは飼育に大量の餌と水が必要となり、

必ずしも効率的ではなく、

水力を用いる技術革新も、

水源の必要性と安定供給の面で

課題がありました。

 

それを全て変えたのが

蒸気機関が本格的に生まれた

産業革命です。

 

生産性=人の労働力

 

から計算式が変化し、

石炭、石油など地下資源を活用する事で

 

生産性=地下資源エネルギー

 

に変わって行きました。

 

 

土地が持つ生産性が国力となり、

安全保障に直結し、

土地に住む国民の暮らしを担保するのに、

開拓可能な土地、水源が必要で、

地下資源は

産業・経済の原動力となります。

 

 

エジプトとスーダンは

軍事的オプションもちらつかせながら

エチオピアと対立していますが、

その理由はナイル川の水源。

 

源流を持つエチオピアが

ダムを建設した事で、

下流のスーダンとエジプトは

水を失う事になり、

一戦交える覚悟!!

と緊張状態に陥りました。

 

それはユーフラテス川を巡る

上流のトルコと

下流のイラクの関係も同様です。

 

日本でも水源を巡る対立はありますし、

日本以上に水が貴重な世界においては、

戦争に発展するケースもあります。

 

だからこそ、

農耕が可能な土地は

各国が生存戦略として欲しますし、

排他的経済水域を持つ

島の存在は貴重で、

中国は人工島まで作り上げます。

 

原油、天然ガス、レアメタル、

地下資源が経済、産業を支えますから、

それらの土地を狙って各国が動くのは、

大草原の家における

土地の重要性と変わらない

安全保障戦略となります。

 

 

実際、アメリカは

ロシアの地下資源を狙って、

政権転覆からの

ロシア分割戦略を持っており、

豊富な地下資源のあるシベリアを

親米政権国家にする目論見は

見え隠れしていました。

 

だからこそ、ロシアとしては

ウクライナへのNATO東方拡大による

欧米包囲網が狭まるのを

拒否してきました。

 

領土を巡る戦いは、

支配欲の結果ではなく、

安全保障と繁栄に、

直結する戦いとなるからなんですよね。

 

 

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