歴史とは英雄譚である。

 

英雄も小市民も1人の人間ですが、

1人のローマ市民は

歴史を作りませんが、

カエサルの決断は

歴史を変えていきました。

 

歴史に名が残るのは

勿論カエサルの方ですし、

歴史とは人の物語が紡がれたもの。

 

歴史を勉強する時には、

「人に注目して物語の連続性を捉えろ」

と、よく教えていました。

 

 

そんな英雄たちの物語が

紡がれる歴史ですので、

例えば戦国時代を見ていく時には

織田信長、武田信玄、上杉謙信、

伊達政宗、徳川家康などの

英雄たちの動きにこそ

注目が集まります。

 

ただ、

そんな英雄たちの活躍の反対側には、

歴史の荒波に飲まれていった

狭間の小領主たちの決断もまた

戦国時代を彩る物語となります。

 

 

往々にして、

大国の狭間に位置するという

不幸を得てしまった

独立小領主の運命は苛酷です。

 

1つでも決断を間違えば

即一族滅亡となりますからね。

 

例えば群馬県。

 

旧国名は上野国ですが、

戦国史における上野国は

完全なる英雄たちによる草刈り場です。

 

東から武田信玄が勢力を伸ばし、

北からは上杉謙信の圧力があり、

南からは北条氏康が着実に迫ってくる。

 

大勢力が誕生しなかった

群馬県の各勢力は、

時に北条家に付き、

時に武田に下り、

時に上杉の支援を得るなど、

その時その時の

隣国の英雄の勢力に翻弄されます。

 

沼田周辺を治めた沼田氏は、

上杉、北条、武田の間を揺れ動き、

そして滅亡しました。

 

長野氏は武田、北条に抵抗するも

武田氏によって滅亡させられます。

 

戦っても、大国を頼っても、

滅亡の運命を迎えた小領主たちが

多くでるのが狭間の小領主です。

 

 

有名な所では信長の妹、

お市の方の嫁ぎ先浅井長政もそうです。

 

滋賀県北近江の小領主だった浅井家は、

勢いのある信長と盟するために

長政とお市の方が結婚します。

 

しかし、越前の名門朝倉家と

信長が対立するに至り、

室町幕府、朝倉家、比叡山延暦寺の連合と

織田信長を天秤にかけ、

自分たちが生き残る道を朝倉家に託します。

 

その結果に関しては歴史が示す通り、

本能寺の変以外では

信長最大のピンチまでは追い込むものの、

そこから先姉川の戦いなどを経て

小谷城は落城、浅井家滅亡に至ります。

 

 

本能寺の変の後の

秀吉の中国大返しで有名な

備中高松城の清水宗治、

長年の毛利家家臣ではありませんが、

両家から誘われて

毛利家、織田家を天秤にかけ、

清水家を守ってくれるのは毛利家と判断し、

毛利方に付きます。

 

しかし、秀吉からの

猛攻と水攻めを受ける事になります。

 

この時、本能寺の変が起こりますが、

秀吉は毛利家と停戦に合意し、

毛利家は清水家を守ることなく

宗治の切腹が決まります。

 

天秤にかけ、付く方を見誤ると、

一族滅亡の運命が待つのが

戦国時代となります。

 

 

それは英雄徳川家康もまた同様です。

 

三河の小領主だった松平家。

 

織田、今川の大国に挟まれ、

常に選択が迫られている状況でした。

 

桶狭間の戦いの後、

今川義元は討ち死にしますが、

今川家を東に、

勢いのある織田家を西に抱える

小領主であることは変わりません。

 

そこで家康は

当初は今川方として織田家と戦います。

 

しかし、

今川家から十分な支援が無いと見ると、

信長との同盟に舵を切ります。

 

十分な支援がないまま戦っていても、

織田家が三河に侵攻してきた時に、

今川家が助けてくれる確証はなく、

万が一にも織田家と今川家が結んで

松平家を挟撃して滅亡させ

三河を分割統治するなんて

合意でもされたら最悪です。

 

実際に数年後、

家康自身が武田信玄と結んで

今川家を挟撃して

遠江を徳川家が、

駿河を武田家が

統治するようになります。

 

そんな事が日常的だった時代、

一番リスクの少ない選択肢として

織田家との同盟を選択し、

以降勢いのある織田家に

徹底的に付き従います。

 

三方ヶ原の戦いで

武田信玄に完敗した家康ですが、

この時に武田家に降伏していたら、

直後の信玄の急死を受けて

兵を引いた武田家の間隙を突き、

織田家によって

滅ぼされていたでしょうから、

織田家に徹底的に付く選択が、

家康の天下取りへの道を開きました。

 

 

狭間の小領主は、

勢いのある大国を選ぶ選択を

誤ることが出来ない、

常に危うい立場なんです。

 

 

 

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