現在NATO諸国の間では、

ドイツ製のレオパルト2戦車

ウクライナに供与するか否かが

問題になっています。

 

どうやらドイツも供与する方向で

動く事になったようですが、

一般的に報道されている範囲で言えば、

生産国のドイツが供与に消極的で、

それに対して他のNATO諸国が

圧力をかけている状況がありました。

 

対するポーランドは供与に積極的で、

自国にあるレオパルト2を

ウクライナに供与すると表明しています。

 

しかし、

これには生産国ドイツの許可が必要な為、

現状では供与に至っていませんが、

ポーランド側は仮に

ドイツの許可が無くても

ウクライナに供与すると表明していました。

 

 

・・・と、

報道されている範囲だけ切り取ると、

ポーランドはなんて良い奴なんだ、

となりますが、

事はそう単純ではありません。

 

 

まず、

NATO軍の主力戦車と言えば、

アメリカ製の

世界最強戦車と言われる「エイブラムス」

フランス製「ルクレール」

イギリス製「チャレンジャー2」

そしてドイツ製の「レオパルト2」

の4種があります。

 

この中から

NATO中からレオパルト2を供与せよと

迫られるドイツ。

 

これだけでも裏に色々とありそうですが、

ドイツが懸念しているのは、

ウクライナでの戦闘が

何らかの形で終結し、

NATOとロシアの関係が

雪解けを迎えた時に、

戦車を供与したドイツだけは許さない!!

とロシア側に思われたくない、

というのがあります。

 

ドイツ経済は

多分にロシアに依存していましたので、

戦中ならいざ知らず、

戦後もロシアからの

天然資源や食料などの輸入が

出来なくなると困る

という事情があります。

 

供与しないと明言していた状況から一転

アメリカもエイブラムスを

供与する用意があるとし、

イギリスはチャレンジャー2を

供与するとは言ったものの、

共に時期は明言していませんし、

結局一番目立つ先陣は、

どの国も切りたくないのでしょう。

 

 

一方の

「良い奴」ポーランドですが、

こちらはまた事情は複雑です。

 

「レオパルト2」

報道では一括りに報じられますが、

デビューは1970年代という

戦車のシリーズで、

現在「A4」「A5」「A6」「A7」

現役の車種があります。

 

この内、

A4、A5

A6、A7では

別戦車と言える程に

仕様も性能も異なります。

 

戦車では

「重量」も重要な要素となります。

 

当たり前ですが、

重い程に防御力が勝ります。

 

前者は60トン未満ですが、

A6では62トン、

A7では67トンあります。

 

また前者は

44口径120㎜滑空砲ですが、

後者は

55口径120㎜滑空砲となっています。

 

この中で、

ポーランドが保有するのは

ドイツ軍がかつて使っていた

中古戦車でA4とA5のみなんです。

 

つまり、

自国内の中古戦車を

ウクライナに供与することで、

「美談」を手にし、

その上でドイツから最新鋭戦車を

代わりとして供与される

「実利」を得たい

という思惑があります。

 

さらに、

今年はポーランドでは

総選挙がありますので、

評価の割れる極右政権としては、

ウクライナを

欧州の誰よりも支える政権、

とのイメージで

選挙での勝利に繋げたい思惑もあります。

 

この辺りの詳しい情報が、

多くの報道では欠けていますので、

国際政治・安全保障通以外には

読み解き切れなくなるんですよね。

 

 

なお、

フランス製のルクレール戦車が

ルクレールを本来保有していない

ウクライナの隣国ルーマニアで

輸送されているのが

発見されていますので、

さらに実態は

複雑に入り組んでいそうです。

 

 

 

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