現在進むウクライナでの戦闘の中、

陣取り合戦図のような

色分けされた両勢力の

支配地域の移り変わりの地図が

盛んに登場しています。

 

現在進行形で国境が移り変わる過程を

SNSやネットが発達した中で

見て行くのは珍しい経験ですからね。

 

2020年にも

アゼルバイジャンと

アルメニア間での戦争、

ナゴルノカラバフ紛争がありましたが、

世界の注目度が異なりますしね。

 

 

さて、

「国境を広げることはそれ程重要か」

という設問があったとしましょう。

 

これは、

大陸国家と海洋国家で

その答えが大きく異なるでしょう。

 

 

2つの妄想をして下さい。

 

1つは大草原の小さな家のように、

周囲に何もない平原の真ん中に

数軒の家がある集落の

族長を継承したケース。

 

1つはカメハメハ大王のように

島の中の有力部族を継承したケース。

 

まずは海洋国家を考えます。

 

島内での対立が激化し、

部族防衛と島内安定の為に

他部族平定を決意します。

 

カメハメハ大王のように

無事に平定も終わり、

戦の無くなった島から綺麗な海岸、

海に沈む夕日を眺め、

平和に心を落ち着かせるでしょう。

 

島内統一を図る事で戦が無くなり、

海の幸、山の幸という

経済基盤を皆で確立する段階に移ります。

 

 

他方の大陸国家、

草原の集落の安全を確保するため、

まず集落の周囲に柵を築きます。

 

定期的に襲来する外者がいますので、

そちらの方面の高台に

見張り小屋と防御施設を作ります。

 

これで集落から見張り小屋までが

「領域」となりました。

 

その地域に作付けも行い、

経済基盤も発展していきます。

 

農夫の一部は農地近くに家を建て、

集落自体も大きくなります。

 

しかし、

見張り小屋が襲撃されるケースが

後を絶たない為、

見張り小屋の防御施設を拡充、

農夫集落の柵の構築などを行うと共に、

見張り小屋のさらに向こう側の高台に

最前線見張り小屋を作ります。

 

そう、

目の前に広がる大草原は、

警戒すべき敵の進入路であり、

一方で経済的豊かさをもたらす

「土地」という資源でもあります。

 

これが海で断たれているのが

海洋国家となります。

 

大陸国家では、

領域を広げることで

経済的メリットを拡充させると共に、

本国の防衛にも寄与していきます。

 

 

具体的に

国境拡大のスピードを見てみましょう。

 

ローマ帝国のスタート地点は

ローマ都市国家です。

 

そこから『テルマエ・ロマエ』の

ハドリアヌス帝の頃と言えば

イメージも湧く「五賢帝」時代の

最大版図アルメニアまでとすると、

500年程で2500キロ程拡大しています。

 

年間5キロのペースでの拡大です。

 

 

ロシア帝国は、

モンゴル系政権の支配を脱した

1500年頃のモスクワから

1800年頃には

現在のアラスカ=ロシア領アメリカを

確立しますので、

300年程で7200キロ。

 

年間24キロの拡大スピードです。

 

 

アメリカ合衆国は独立時1776年の

ワシントンを起点とするとして、

1848年にカリフォルニアが

メキシコからアメリカに割譲された

時点までで、

72年で3900キロ程。

 

それこそ大草原の

ネイティブアメリカンを虐殺しながら

年間54キロの拡大ペースです。

 

 

さて、日本ですが、

古墳時代の500年頃の奈良を起点とし、

家康が松前氏に蝦夷地支配を認めた

1600年頃の松前までとして、

1100年程で900キロほど。

 

年間0.8キロです。

 

 

同じ「海洋国家」としてイメージされる

イギリスですが、

王室はフランスをベースに、

継承の過程で現在はドイツ系と

大陸由来の国家でもあります。

 

1600年頃の海洋進出から、

カナダやオーストラリア、

ニュージーランドを

支配するに至りますので、

1840年のニュージーランド併合まで

240年程で18000キロほど。

 

船で海路を進むという

今までと異なる進出ですが、

年間ベースなら75キロ先まで

進んでいった形です。

 

ローマ帝国:500年2500キロ:年間5キロ

ロシア帝国:300年7200キロ:年間24キロ

アメリカ:72年3900キロ:年間54キロ

日本:1100年900キロ:年間800メートル

大英帝国:240年18000キロ:年間75キロ

 

こう見ると、

日本の国境意識の低さが良く分かります。

 

海で自然に隔てられていたから、

とも言えますが、

そこに蝦夷地があっても進出せず、

世界地図や地球儀を渡されても

国土拡張に興味を示さず、

19世紀になり欧米列強に

最新鋭の武器で脅されて初めて

世界の荒波に気付く

伝統的平和ボケです(苦笑)

 

この日本人の感覚で

大陸国家の領土への野心を考察しても、

どうしてもポイントは

ズレるんでしょうね。

 

 

 

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