「安全保障」とは何か。

 

それは国家の安全を

いかに保障する政策・システムであるか、

という事であって、

どうやって戦争にならないようにするか、

そのシステム全体が

安全保障なのであって、

その要素の1つに

軍事があるに過ぎません。

 

 

逆にどのような場面において

戦争が発生するのか。

 

このようなケースを考えてみます。

 

①戦力が5:5で拮抗

②戦力が4:6

③戦力が1:9

 

どのケースで戦争が発生する

可能性が高いと思いますか??

 

安全保障論的には②となります。

 

①のケースでは、

互いに決着が付かずに

ボロボロになる危険性を予測して

戦争を避けるようになり、

③の場合は

誰の目にも明らかな結果なので、

大国も小国も互いに

敢えての戦争には踏み切りません。

 

これ、感情を抜きにした数学のモデルで

安全保障を研究した結果でも

こう出るので面白い所です。

 

 

何故②だと戦争が起こるのか。

 

相手国の戦力が4ならば勝てますが、

これが5や6になったらどうしよう・・・

そうだ今のうちに叩いておこう!!

の思考が生まれやすいからです。

 

その為、戦争を避ける為に、

戦力を拮抗させようと人類は思い立ち、

「バランス・オブ・パワー」

という概念が生まれます。

 

戦力4の国が

5の国、1の国と同盟を結び、

戦力を合計10にします。

 

戦力6の国は、

それでは負けてしまいますので、

やはり戦力3の国、1の国と同盟を結び、

戦力を合計10にします。

 

「バランス・オブ・パワー」の完成です。

 

・・・しかし、

人類はこの試みに失敗します。

 

同盟関係が入り乱れた結果、

セルビアとオーストリアの対立で

ドイツとロシアが戦争をする・・・

そう第一次世界大戦のような事が

起こってしまうんです。

 

 

「バランス・オブ・パワー」に

失敗した人類は

「集団安全保障」という

考え方を導き出します。

 

国連やNATOなどです。

 

あるA国がB国に侵攻したら、

加盟国全部が自動的に敵になる、

という条約です。

 

これで戦力差1:9が

強制的に生じますので

戦争が起きないというメカニズムです。

 

・・・理論上は。

 

 

では現実世界は

どう動いているのかと言えば、

世界が反対しても

アメリカ主導でイラク戦争が起き、

ロシア主導でウクライナでの戦争が

起きています。

 

そう、

大国が主導する限り機能しないんです。

 

 

しかし、

外交が破綻したのかと言えば、

そういう訳でもありません。

 

緩やかな「バランス・オブ・パワー」は

実は機能しています。

 

イラクやシリア、ウクライナなどの

戦争当事国ではなく、大国間において。

 

世界はイラク戦争に反対しましたし、

中露は拒否権も行使しましたが、

実際にアメリカが進撃すると

イラクを見捨てました。

 

米英仏はシリアを軍事攻撃しましたが、

ロシアがシリアの本格支援を開始すると

ほぼ手を引きました。

 

そして今回も、

ロシアがウクライナに侵攻すると、

「NATO加盟」を

あれだけちらつかせていた

欧米は黙りましたし、

ウクライナが勝てない程の

軍事支援に留めています。

 

つまり、

アメリカもロシアも

互いに相手を本気で怒らせない程度に

自制するんです。

 

表面上の言葉の応酬があっても、

実は外交が機能しており、

「バランスオブパワー」が

緩やかに機能しています。

 

これを壊そうと思う程には

双方とも本気ではなく、

両国とも互いを刺激しない範囲で、

ロシアもウクライナを攻撃し、

アメリカも軍事支援をしています。

 

欧米の経済制裁も、

言葉上は厳しいのですが、

その実態を見れば

「バランスオブパワー」が

効いているのが分かります。

 

「年末までの原油輸入禁止」、

これ「即時」では無いのがポイントです。

 

それまでに戦争終えてね~、

というメッセージでもあります。

 

戦争が終われば、条件が変わるので

輸入継続が可能ですからね。

 

 

安全保障の現実と、

外交の現実路線、

共に感情を排して

システムとして取り組まなければ、

大きく国益を損なう事になります。

 

さ~て、

日本は出来ているのか否か・・・

 

 

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