プロパガンダ、広告宣伝、

政治扇動、人心掌握、

これらにおいて重要となるのは

 

「人は聞きたい事を信じる」

 

という性質です。

 

十分に情報訓練を受けた人ならば別ですが、

多くの場合、

人は自分が聞きたい情報には

疑いを持たずに信じる傾向があります。

 

偽薬のプラシーボ効果は

実証されていますが、

情報に関しても同じような

自己暗示効果があるという事ですね。

 

 

太平洋戦争期、

日本が劣勢になる程に、

所謂大本営発表の成果は

どんどん水増しされていきました。

 

劣勢である現実を受け入れたくない時、

米軍に大打撃を与えた!!

というスカッとする情報は

聞きたい情報であり、

過大戦果を信じ、発表し、

国民もまた信じていきました。

 

過大戦果の最たるものは

劣勢も確実となっていた1944年の

台湾沖航空戦です。

 

アメリカは空母17隻、戦艦6隻を要する

大部隊であり、

日本側は航空機1200機で迎え撃ちます。

 

まず正しい結果から。

 

日本側は航空機312機を失います。

 

対するアメリカ側は

航空機89機を失うものの、

艦船の沈没はありませんでした。

 

さて、大本営発表ですが、

空母33隻撃沈、

空母14隻撃破、

戦艦5隻撃沈という大戦果でした。

 

実際に参戦した17隻でも凄いのに、

空母47隻も保有する国が相手だったら

尚更さっさと降伏するのが吉ですね・・・

 

1隻の撃沈も無いのに、

成果だけは空母33隻の撃沈。

 

流石に一部軍人たちは

この情報を信じなかったようですが、

これがまかり通る程に

情報弱者に日本は陥ってました。

 

そして終戦間際には、

ソ連の対日参戦の情報が

もたらされたものの、

米軍が迫る中、

北からの脅威にまでは対応出来ない日本は

「ソ連は参戦せず」を信じたいですので、

都合の良い情報だけをかき集め、

ソ連参戦の情報は揉み消されました。

 

これが情報の怖さです。

 

 

さて、

現在進行中のウクライナでの戦闘。

 

ロシア=悪、

ウクライナ=善、

アメリカ=正義

 

のような構図が出来上がっています。

 

そう思う信条は自由なのですが、

大切なのは情報の正確性です。

 

開戦数週間の頃から

「ロシア軍はもうダメだ」

「もはや機能不全」

などの情報が日々飛び交います。

 

そして現実は、

その頃よりもロシア及び親ロシア派の

支配地域は拡大しています。

 

私はこれと同じものを

イエメンで見た事があります。

 

イエメンは2015年以降、

長く続く内戦中です。

 

国際的には「政権側」とされる

スンニ派勢力を

サウジアラビアなどが支援し、

「反政府勢力」とされる

シーア派勢力を

イランが支援しています。

 

スンニ派のカタールのTV局

アルジャジーラの報道では、

「主要都市に向けて政権側が前進」

「政権側が〇〇を奪還」

と連日報道され、

「反政府勢力」が一方的劣勢に

立たされているように思えましたが、

実際には、

首都や主要都市の実効支配を確立し

支配地域を広げているのは

反政府勢力であり、

その過程において、

いくつかの拠点や村の奪還に

政府側も何度か成功しているだけでした。

 

 

ウクライナにおいても、

これと同じような傾向が見られます。

 

欧米や日本の報道が本当であれば、

既にロシア軍は

壊滅していなければいけないのですが、

実際には支配地域を広げています。

 

ロシアの軍事行動がけしからんから、

ロシアが敗れる報道は

スカッとするからそれを希望!!

には根本的な誤りがあります。

 

 

ロシア軍が欧米メディアが言う程に

弱体化して脆いのであれば、

何故NATO軍が総力を挙げて

ウクライナに入りロシア軍と戦い、

一瞬でケリを付けないのでしょう。

 

 

その「何故」に立ち返って

状況の全体像を見る事が重要です。

 

 

欧米は未だにウクライナの

NATO加盟もEU加盟も認めていません。

 

そもそも開戦のきっかけが

欧米がウクライナを

NATOに加盟させるような素振りを

ロシアの反発の中で

敢えて見せた事であるにも関わらず。

 

「援助」はしますが、

「援軍」は出しません。

 

何故でしょうか??

 

ロシアからの核攻撃が怖いから??

 

それが本当に怖いのであれば、

そもそも支援しなければ良いですし、

介入するのであればウクライナに

NATO軍が展開すると同時に、

ロシア本国に対しても

電撃戦を仕掛けて圧倒すれば良いのです。

 

本当にロシア軍が弱いのであれば。

 

 

援軍を出さず、

超一線級の兵器も出さずに

ウクライナが負けないまでも、

ウクライナが勝てない程度の武器しか

供与していません。

 

現在、

ウクライナに武器を供与している国は、

旧ソ連製の兵器を保有する

新加盟のNATO諸国です。

 

それらの国々は

ソ連製の武器をウクライナに供与し、

代わりにアメリカから

アメリカ製の武器が供与される。

 

ドイツなどNATOの大国が供与するのは

旧式の保管費がかかる倉庫の兵器です。

 

つまり、

旧式兵器の在庫一掃が出来、

ソ連・ロシア製兵器を購入していた

ロシアの「顧客」の国の兵器を、

ロシア製からアメリカ製兵器に

現在変えている最中となります。

 

 

この戦争、

開戦の直接的きっかけはロシアですが、

長引いている要因は、

ウクライナに短期間で

勝ってもらっては困る勢力の

思惑があります。

 

武器を巡る思惑、

悪化した国内景気を

「ロシアのせい」で

国民に納得してもらおうという思惑。

 

 

どちらが良い・悪いという事と、

情報の正確性、冷静な分析は

それぞれ別次元で考えなければ、

信じたい情報に踊らされてしまいます。

 

 

 

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