ウクライナによる支援感謝動画に

日本が含まれていなかった事に対して、

日本側が不快感を示すと、

「大人げない」との声も

日本国内から上がりました。

 

確かに、何かをして、何かを贈って

「感謝しろ」という姿勢は

日本文化には馴染みませんから、

その意味からいえば

「大人げない」

感謝の強要ではあります。

 

 

しかし、

これは「外交」での話ですので、

感謝の強要か否かなどという

レベルの話ではありません。

 

 

日本政府が公式に

国庫から資金を拠出する以上、

それが国内向けであれ国外向けであれ、

国益を最大化する事が

目的でなければいけません。

 

国家に「ポケットマネー」は存在せず、

国庫に納められているのは

国民の税金ですからね。

 

国を発展させる経済対策、

国民生活を保障する

公共サービスなどの出費と

同等の価値を国際支援、援助も

生まなくてはいけません。

 

 

その効果とは何か、

日本の「国際影響力の増加」です。

 

 

外交の一側面は

「言葉を使った戦争」であり、

もう一側面は

「日本の営業部長」です。

 

この両面で日本の国益の最大化を目指し、

「日本」という国と名前を

世界に高く売り込む事が

外交の重要な役割です。

 

日本の支援は独り善がりとして、

日本の歳出上ではやったものの、

国際的には支援はしていないという

費用対効果ゼロが

示された形となったのが、

今回の問題でした。

 

 

日本にはこの事に関して苦い記憶があり、

それは湾岸戦争時の

クウェートの感謝広告です。

 

クウェートは

イラクによる侵攻を防いだ

感謝広告を掲載し、

そこに28カ国の名前が

記載されていたものの、

130億ドルの支援をした

日本の名前はありませんでした。

 

ではその28カ国はどんな国か。

 

多国籍軍を形成した国々です。

 

この経験から、

日本はPKOへの参加を

するようになります。

 

ペルシャ湾の機雷除去作業で

海上自衛隊の掃海部隊が

派遣される事となりますが、

まだまだ世論の反発も大きく、

国際貢献に向かう自衛隊員に

投げかけられた罵声は相当なものでしたし、

政府も現場を顧みない

中途半端な派遣とした為、

木造の500トンクラスの小型船で

ペルシャ湾まで向かわせ、

海上自衛隊員の苦労は

とても大きくなりました。

 

そしてこのPKOの最中、

日本の130億ドルの支援に対し、

現場では各国の将官たちに

 

「一人1万円払えば

ここに来なくて済むなら、

俺は100ドルここで払うから

帰っていいか??」

 

と笑われたと言います。

 

日本の外交姿勢は

「命の危険は他国が、日本は金を出す」

で一貫していましたが、

それは感謝の対象にも

「国際協力」の実績の対象にも

ならないのが現実でした。

 

 

ただ、

今回のウクライナ問題に関して、

自衛隊を陰に陽に

ウクライナに派遣する必要も、

自衛隊の装備を

ウクライナに送る必要もありません。

 

しかし、

国際アピールが重要である

外交としての支援をするならば、

相手が感謝を認識し、

感謝を引き出す

支援と交渉が必要となります。

 

相手からの感謝を大々的に引き出したり、

やはり日本が支援すると違う!!と

他国に言わしめなければ、

湾岸戦争時と同じ外交的失敗となります。

 

その後日本も含まれたものの、

初期の支援感謝動画に

日本が無かった事は、

お金は出したものの、

その価値はゼロだったという

日本政府、外交にとっての

大問題となりました。

 

それは、

国民の税金を無駄に使った事と

同義になってしまいますので。

 

日本が不快感を示すのは

感情的に不快だから、だけではなく

大人げない強要、というものでもなく

外交上、財務上の行動となります

 

 

 

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