ウクライナ情勢を追っていくと、

「1つの戦争」に

「2つの戦場」が

ある事が分かります。

 

これはウクライナ戦争が持つ複雑性と、

双方のプロパガンダを

表したものとなります。

 

1つは

「ロシアによる侵略戦争」という側面。

 

当然ながらウクライナ側の主張であり、

欧米メディアの主張でもあります。

 

首都キエフや

大都市ハリコフなどからの

レポートを通じて、

悲劇の市民をクローズアップした

報道となります。

 

もう1つは

「ロシアによる解放戦争」の側面。

 

これはロシア側の主張。

 

報道の中心は

南東部ドンバス地域となります。

 

欧米メディアの報道では

消された存在ですが、

ウクライナ国内には

ロシア系住民が多数居住し、

独立並びにロシアへの併合を望んだ

「ウクライナ人」が少なくなく

存在していた事実は

認識しておく必要があります。

 

その多くがクリミア半島やドンバス地方、

南部港湾都市オデッサなどに

住んでいます。

 

クリミア半島は

独立からのロシアへの併合

となりましたが、

ドンバス地域は

戦闘地域のまま約7年が過ぎ、

ウクライナ側、親ロシア側

双方が攻撃を行い、

地域は2つに分割され

市民の犠牲が本当に多数出ていました。

 

だからこそ、

このドンバス地域においては

ロシアの侵攻は

「歓迎」されているのも事実です。

 

ここの情報を押さえないで

ウクライナ情勢を論じても

空論に過ぎなくなってしまいます。

 

ロシア軍及び親ロシア派勢力が

ドンバス地域に侵攻する作戦は、

あくまでもロシア側からの見方ですが、

「解放戦争」となっていて、

実際それでロシア軍の侵攻に、

解放されたと喜ぶ

親ロシア派住民は存在します。

 

元来独立したかった所を、

ウクライナ軍と7年に渡る戦闘を

繰り広げている地域の

ロシア系住民ですからね。

 

 

互いに都合の良い部分の情報を

主に切り取り、

ウクライナ&欧米側は

ウクライナ人の多いキエフなどの情報を

「ウクライナ情勢」とし、

ロシア側はロシア系住民の多い

ドンバス地域を「ウクライナ情勢」と伝える

2つの戦場に情報が分かれています。

 

 

これは、

どちら側に立つ、立たない、

の話では無く、

絶対に情報として

押さえておかなければいけない事実です。

 

 

その上で、

安全保障の観点から考察すると、

ウクライナ側が陥り、

そしてネット世論が陥り、

そして戦前・戦中の日本が陥った

悪しき群集心理があります。

 

それは

 

「群衆は過激な理論に正義を見出す」

 

という心理学の論理です。

 

「最後の一兵まで戦って玉砕すべし!!」

 

戦前の日本は

この群集心理に憑りつかれ、

和平を望む声は裏切り、軟弱と

切り捨てられました。

 

その結果、

総力戦を開始し、

戦争を継続し、

どうなったかは歴史を見て下さい。

 

現在、ウクライナを巡り、

「最後の一兵まで」

「ウクライナ国民は抵抗運動を」

などの声が

ウクライナ内外から聞こえます。

 

そしてそれを賛美する

ネット世論があります。

 

残念ながらウクライナとロシアの

戦力差は大きく、

そこから先、

民間人まで抵抗に参加する

総力戦が起こった場合の末路は、

他の戦争が示す通りです。

 

戦っている間は「戦闘員」であり、

死んだ時には「市民」となり、

欧米メディアが

「ロシアが民間人を殺害」

という報が出るような事があれば、

ロシア側は全てのウクライナ人を

「戦闘員」と

みなさなければいけなくなります。

 

「最後の一兵まで」と呼びかけ、

戦闘員と非戦闘員の区別を無くし

総力戦に持ち込む事は、

愚策中の愚策です。

 

戦争は

職業軍人の軍隊がするべきであり、

民間人を戦闘員に仕立てて

抵抗運動という名の総力戦に

陥ってはいけませんし、

それをネットが煽る事で

「過激な論理」に従わぬは裏切り者、

の世論を醸成させてはいけません。

 

 

アメリカは、NATOは、

ロシアとは戦わないと

宣言しています。

 

残念ながらウクライナは

NATOにとっての「捨て駒」なんです。

 

ロシア制裁、反ロシア感情の醸成という

「メリット」の為に、

ウクライナの悲劇が必要だったのであり、

本気で助ける気はありません。

 

だからこそ、

ロシアと直接戦わないと宣言し、

NATO加盟をさせず、

与える武器も

冷戦期の骨董品的兵器を含む

旧式の武器となります。

 

自分たちは戦わないと宣言する一方、

「連帯する」などの綺麗な言葉で

市民にまで旧式兵器が渡るように

総力戦を後押しする。

 

一般市民の抵抗の証と

民間施設で火炎瓶製造をしている

そんな映像を報道し、

ロシアに民間施設を標的にさせます。

 

欧米がやっている事は

政治的決断から報道まで

決して平和を望むものが

やるべき行動ではありません。

 

 

アメリカがポーランドに

F-16戦闘機を渡し、

その代わりにポーランド軍の

MiG-29戦闘機を

ウクライナに供与する案が

アメリカの国務長官から発せられました。

 

ポーランド側は即座に否定しましたが、

本気でこれをやるならば

内々に進める話です。

 

この話を表に出すという事は、

ポーランドは「戦争当事国」であると

ロシアに伝えているのと同義となります。

 

ポーランドの軍用空港に

明日のウクライナ空軍機がありますよ。

と、なれば当然ながら

ロシア軍にとっての

攻撃対象になりかねません。

 

だからこそ、

ポーランドは即座に否定したんです

 

つまり、旧ワルシャワ条約機構側の

ポーランドもまた

欧米にとっての「捨て駒」なんです。

 

仮にポーランドが攻撃されたら、

より一層ロシアを批判できる、と。

 

 

ロシアも自分たちの領土に対する

安全圏の為の

「捨て駒」が必要でした。

 

それがウクライナであり、

ベラルーシであり、

かつてはポーランドなどでした。

 

この戦い、欧米とロシアの

緩衝地帯である

「捨て駒」を巡る戦争なのです。

 

 

 

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