「日本は二大政党制に向かうのか」
日本の政界を巡る大いなる議論です。
政権交代可能な二大政党制を~!!
と聞く時、
直近でイメージするのは
鳩山民主党でしょう。
しかし、
もう少し遡れば、
小沢新進党がそれを目指しましたし、
55年体制時であれば
社会党がその位置に居ました。
ただ、
現時点で言えば、
「近い将来」の範囲であれば
日本が二大政党制になる事は
無いでしょう。
自民党比例区得票率
図は1990年平成2年の衆院選から
先日の衆院選までの
衆院選・参院選における
自民党比例区での得票率の推移です。
自民党と社会党が争っていた時代に
46%を取った事もありますが、
以降は24%から38%の間で
推移しています。
これが「自民1強」と
言われる政党の得票率です。
政権交代可能な二大政党制の場合、
第三極政党が居たとしても
45対42のような得票率で、
国民の半数近くが
支持するようなパターンとなります。
しかし、「1強」の自民党が
平均して30%程の得票率ですから、
いかに日本が
多党制であるかが分かります。
そんな自民党に挑戦した
「二大政党制か??」と思われた
「社会党・社民党」
「新生党・新進党・自由党」
「民主党・民進党・立憲民主党」の
得票率を見てみます。
大政党比例区得票率
自民党が野党に転落した2回、
共に得票率トップを奪われていますが、
結局自民党が安定して
盛り返しているのが分かります。
そして先に書いたように、
その盛り返しは過半数の支持ではなく、
せいぜい30数%の得票率であり、
野党の得票率に至っては・・・
となります。
この図を見ると、
自民党の得票率も野党の得票率も
ガクッと下がる瞬間が
ある事が分かります。
95年の参院選において、
自民党は36%から27%へ。
2009年衆院選から10年参院選にかけて
28%、26%、24%と下げています。
これ、選挙全体を俯瞰すると
分かりやすくなります。
まずは93年衆院選に向けて、
鳩山由紀夫氏らが自民党を割って
「新党さきがけ」を結党し、
小沢一郎氏・羽田孜氏らが
「新生党」を結党します。
そして細川内閣、羽田内閣と
非自民内閣が出来、
95年の参院選までに「新生党」は
公明党、民社党、日本新党と合わせて
「新進党」を結党し大躍進します。
つまり、
自民党を出た議員たちが、
自民党票を食った結果です。
主要政党得票率(04参院選まで)
それは2009年からの流れも同様で、
2005年の「国民新党」
2009年の「みんなの党」
2010年の「たちあがれ日本」
自民党を飛び出した政党が
自民党票を食う形で、
30%台に盛り返していた得票率を
どんどん下げていきました。
主要政党得票率(05衆院選から)
これは、
野党側にも同様の事が言えます。
かつて「二大政党」かと思われた
社会党・社民党は、
現在得票率1%台の政党ですが、
ガクッと落ちた96年衆院選、
社会党議員の多くが
「新党さきかげ」の鳩山派と合流して
「民主党」を結党。
社会党が落とした分を
民主党がスタート時から得ている形です。
「新進党」も、
公明党が分裂、さらに6党に分裂し、
そこから海部元首相や二階氏など
後に自民党に戻るグループが
「保守党」を結党し
分裂し党勢を失っていきます。
そして一時期政権を担った民主党も、
ガクッと勢力を失う12年衆院選、
31%から16%に得票率を下げますが、
民主党に合流していた小沢一郎氏が
「国民の生活が第一」を結党し
「日本未来の党」へ合流します。
自民党も民主党も
小沢氏が出て行くことで
得票率を下げる歴史を有します。
さらに、
そこから微増させた党勢も
「希望の党」への議員の合流、
「国民民主党」との分裂などで
再度下げる事に。
つまり、
本来二大政党制を目指すのであれば、
勝利時には国民の過半数近くを
獲得するような政党がある事が
条件なのですが、
日本では1強の自民党で30%台ですし、
さらに自民党であれ、強力野党であれ、
自党内から分裂派を生み、
少し上げた得票率を
下げる事を繰り返しています。
アメリカでは人気を誇った
共和党の
セオドア・ルーズベルト元大統領が
進歩党を結党し
大統領選に挑みますが、
得票率は27%止まりで
民主党ウィルソン大統領が誕生。
その後は進歩党は党勢を失い、
結局共和、民主の
2大政党制に戻ります。
これはアメリカでもレアケースであり、
党内対立はあっても、
党を割る事が
政治的死を意味しますから、
党内対立は党内で収めておくのが
二大政党制の原則となります。
数えきれない数の
新党結党が繰り返されたこの30年、
それを可能とするのは、
二大政党制の素地が、
日本の民主主義には
無いからなんでしょうね。
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