先日停戦した

イスラエルとパレスチナの武力衝突、

双方が勝利を主張する

展開となっていますが、

ハマスここにあり!!

を見せつけた意味では

パレスチナ側というかハマス側の

政治的勝利とも言え、

一方で何百発のミサイルを発射しようとも

現状に何も変更を

もたらすことは出来ない事を見せつけた

イスラエル側の軍事的勝利とも言えます。

 

見方は色々とありますが、

敗者が一般市民であったことだけは

確かです。

 

 

さて、

今回の武力衝突、

目を引いたのは何と言っても

イスラエルの防空システムの本気でしょう。

 

どれだけパレスチナ側が

ミサイルを発射しても、

その「大多数」

迎撃に成功していますので、

かつては命中精度に

疑問が投げ掛けられていた

防空システムですが、

その効果を遺憾なく発揮し、

高い開発費に見合う

実力を発揮するのか??

との不信の目は

実戦での実力を見せつける事で

払拭出来たと思われます。

 

 

一方で、このイスラエルの

防空システムの本気は、

「専守防衛」という安全保障戦略の

限界を示したとも言えます。

 

 

ご存じの通り、

日本は「専守防衛」

防衛戦略の基本に置いており、

防衛に徹底し攻撃はしない、

と考えられても来ました。

 

実際には、

民主党鳩山由紀夫首相の祖父で

自民党鳩山一郎首相の頃から、

敵ミサイル基地への攻撃は

専守防衛の範囲内、

という政府見解を示してはいるのですが、

「専守防衛」とは

自国領内での防御に徹する戦略、

と思われている節は大いにありますし、

自称保守政党の自民党でも、

一部政治家は敵地攻撃に関して

口が重かったりもします。

 

 

では、

具体的に防御に徹するという意味での

「専守防衛」の限界を

見ていきたいと思います。

 

 

今回の

イスラエル・パレスチナ紛争において、

イスラエルの防空システムは

パレスチナのミサイルの

「大多数」を迎撃しました。

 

つまり、

逆を言えば100%では無いんです。

 

ミサイルの軌道から、

都市部を避け

何もない場所へ向かう事が

分かっているミサイルは

迎撃対象から外されてもいますが、

それを抜きにしても、

迎撃出来なかった

ミサイルは存在しますし、

都市部上空で迎撃に成功したとして、

その部品は当然ながら

都市部に落下します。

 

だからこそイスラエル側の住民にも

死傷者が出ました。

 

 

これを日本に

置き換えて考えてみてください。

 

数百、数千発のミサイルが

日本に飛来して来るんです。

 

 

陸で接する

イスラエルとパレスチナとは異なり、

海が天然の堀として

日本城を守っている??

いえ、現在のミサイル技術では、

「短距離弾道ミサイル」が

朝鮮半島から発射されても

日本に届きます。

 

「中距離弾道ミサイル」ともなれば、

朝鮮半島からなら日本の全土、

中国からでも勿論届きます。

 

そして、その配備数は

まさに数千発という

単位と言われています。

 

日本には

短距離用、中距離用、長距離用と

各種地対空、艦対空ミサイルを

保有していますが、

仮に100発のミサイルを発射され、

迎撃命中率90%だったとして、

10発のミサイルは

日本の国土に落下してしまいます。

 

また、

迎撃が都市部上空だった場合、

迎撃されたミサイルの破片などが

都市に降る事にもなります。

 

90%迎撃して良かったね、

とその時言えるでしょうか??

 

 

イスラエルの行動を

「報復」と報じられますが、

あれは基本的に「自衛」です。

 

ミサイルの発射拠点を攻撃し、

次なるミサイル攻撃を封じる事、

ミサイル運営母体、

今回で言えば

テロ組織であるハマスの

中枢や指揮命令系統を攻撃する事で

混乱させ次なるミサイル攻撃を封じる事、

視覚的効果のある

建物の破壊などを通じて

厭戦気分を引き起こす、

などは敵の攻撃の手を弱め、

封じる為の手段です。

 

事実、

ハマス側から先に

攻撃を仕掛けたにも関わらず、

そのハマス側が先に

停戦仲介の受け入れを発表し、

不俱戴天の仇であるイスラエルとの

停戦に応じています。

 

政治的に成果を達成したから、

とも言えますが、

イスラエルからの反撃が無ければ、

さらに攻撃は続いていたでしょう。

 

これを日本の先程の例の

続きで想像して下さい。

 

90%の迎撃に成功したものの、

10%のミサイルが着弾した日本が、

一切の反撃を行わなければ、

敵国は停戦する必要性が生じず、

次なる100発のミサイルの発射が

安全を確保した上で可能です。

 

どんな高性能な防空システムでも

100%の迎撃が出来ない以上、

理想論的「専守防衛」では、

日本にはミサイルの雨が

降り続く事になってしまいます。

 

 

 

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