「美徳」ある人と

「悪徳」にまみれた人、

どちらと友人になりたいかと問えば、

多くの場合

「美徳」ある人と答えるでしょう。

 

目指すべき人物として、

「徳」のある人間と

する人もいるでしょうし、

社会として

「美徳」を正義として捉えます。

 

 

そんな社会に送る狂歌

 

白河の

清きに魚の

住みかねて

元の濁りの

田沼恋しき

 

江戸を代表する文人

太田南畝の作ですが、

徳ある政治家の代表格

白河藩主松平定信と、

悪徳政治家と揶揄される

田沼意次を上手く表した歌です。

 

松平定信の時代となり、

清く正しい政治となったものの、

住みにくくなり、

濁っていても

元の田沼時代が恋しいなぁ~

という江戸っ子たちの皮肉です。

 

つまり、

江戸っ子たちが友達になりたかったのは

「悪徳」田沼意次のようですよ(笑)

 

 

ギリシャの哲学者プラトンは、

法をこう定義します。

 

「悪徳や不正によって得る利よりも、

誰かの悪徳や不正によって被る

被害の方が大きいので、

被害を被らない代わりに

悪徳で利益も

得られないようにする契約」

 

つまり、

悪徳は利益への入り口となります。

 

 

では、経済の基本を考えてみます。

 

売値=

仕入れ値+経費+次回買い付け費

 

徳の面から経済を論じれば、

これ以外の商売は全て悪徳となります。

 

しかし、実際は売れば売る程に

売り手は儲かり

富を得るのが商売の基本であり、

それは人類に記録としての

「歴史」が誕生するより以前から

恐らくこうして来ました。

 

それが経済を発展させ、

社会を豊かにしてきた側面もあり、

世界は悪徳によって栄えた訳です。

 

 

結果の平等が

約束された社会においては、

誰もが努力をする必要がありません。

 

しかし、社会はそのような構造に

共産圏ですらなっていませんので、

何かしらの形で

他者を出し抜く必要性があります。

 

試験の成績で上に行く、

より上位の学校の受験に成功する、

スポーツの記録を良くする、

全て誰かを踏み台にする話です。

 

誰かの上に行くことでのみ、

栄光への扉が開きます。

 

こう指摘すると

夢も希望も無いようですが、

この過程において人は努力をします。

 

そしてその努力が

社会的ブレイクスルーを

生み出していきます。

 

 

有名な例の1つが、

陸上短距離における

クラウチングスタートです。

 

よく見る両手を着いた

スタートの姿勢です。

 

あれはとある一人の陸上選手が

スタートにおいて他者より先行しようと

編み出したアイデアであり、

それまでのスタートは

小学生のかけっこの時の

スタートのような姿勢でした。

 

まさに

「イノベーション」と呼ばれる変革が

陸上界において生まれた瞬間です。

 

この社会変革をもたらし、

社会、業界を大きく発展させる

「イノベーション」は、

悪徳からしか生まれません。

 

皆と同じことをして、

皆と同じ結果を生みたい、

と考える場合、

必要性が無いですからね。

 

悪徳によるハッキング技術の進歩が、

ネット環境を

より発展させているのも事実ですし、

他者より売れるモノを作りたい!!

というモチベーションが

芸術も商品も進化させます。

 

 

悪徳、

実は私たちの社会の栄光の

裏に密接にくっついている

必要悪だったりもします。

 

 

大人の社会科授業2021

・日時: 2021年6月12日(土)
      9時15分開場  9時30分開演  12時30分終了予定

・費用: 無料

・主催: サンワード貿易株式会社

 

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■ 講演 ■ 
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講演料:50,000円+交通費
90分を超える場合は要相談

 

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大人の社会科授業
授業内容:

①「勉強の仕方」

②「安全保障論」

③「プロパガンダと広告」

④「経済学って面白い」


費用:お一人 5,000円
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