ミャンマーの状況に関して、

国際社会が懸念を表明し、

一部制裁も課されています。

 

人道上の問題があり、

人権が脅かされていると。

 

 

それと時を同じく、

国連はフランスに対して、

フランスが

北アフリカのマリで

1月に行った軍事作戦に関し、

その軍事作戦における空爆で

マリ市民19人が死亡しており、

人道上の問題があるとの

報告書を作成しました。

 

砂漠地帯の谷で行われていた

結婚式に対して行われた

その空爆によって、

アルカイダ系武装勢力のメンバー3名が

死亡したとされていますが、

同時に19人の地元住民も

巻き添えになった形です。

 

しかし、フランス政府は

明確にその報告書を拒絶し、

フランス政府の主張は、

そもそも結婚式も存在せず、

彼らは全てテロリストである、

というものであり、

国連の報告書とはまるで相容れません。

 

 

国際社会の権威を

どこに置くかという問題に帰結しますが、

ミャンマーに限らず、

「人道上の問題がある」として、

それこそフランス政府が

軍事介入を決定し、

現地政府を転覆させた、

または転覆を試みた

リビアでもシリアでも、

その情報は

現地反体制勢力のものでした。

 

反体制勢力のプロパガンダを

巧みに利用し、

軍事介入への大義名分としましたが、

フランス政府は

国連の正式な報告書を拒絶。

 

その報告書の方が間違っている、と。

 

フランスが利用したい

現地反体制勢力の主張は信頼でき、

国連の報告書は信頼出来ない、

それがフランスの主張です。

 

 

この主張が通用し、

そして国際社会が問題視しないのは、

フランスが

G7構成国であり、

核保有国である主要先進国だから。

 

ようは、「強いから」です。

 

 

ミャンマーやシリア、リビアが

窮地に追い込まれるのは

「弱いから」となります。

 

今回の件でも、

マリ国内のテロ勢力の掃討を

旧宗主国のフランスに頼んだのは

マリ政府自身ではありますが、

仮に国内で反フランス感情が

沸き起こったとしても、

マリにはフランスに対して加える

制裁のカードは無く、

フランスを空爆することも、

軍事介入することも出来ません。

 

それは国際社会からの

制裁を加えられた多くの国が同様です。

 

ミャンマーなど先に出た国に限らず、

少し前ですとベラルーシ、

21世紀の混乱の元凶となったイラク、

全て「弱い国」だからこそ

国際社会は圧力を加え、

介入を試みます。

 

その逆はありません。

 

ベラルーシ問題も、シリアの内戦も、

ロシアが本腰を入れて介入することで、

力関係が均衡してくると、

途端に欧米社会の介入は及び腰になり、

ニュースにもならなくなってきます。

 

 

長らく新疆ウイグル自治区の問題は

提起されていましたが、

ここ最近ようやく表に出てきたのは、

香港問題で中国が躓いたからであり、

経済、政治と絶好調だった時には、

世界は新疆ウイグル自治区に

見向きもしませんでした。

 

そして現在も、

世界は懸念は表明するものの、

具体的な措置は取らず、

ようは遺憾砲に留まっていますし、

日本はその遺憾砲すら出せていません。

 

何故なら「強いから」です。

 

 

経済力にせよ、軍事力にせよ、

「強い国」には国連の報告書さえ

無視し拒絶する事が出来、

「弱い国」は一方的介入を許します。

 

 

それが国際社会の現実であり、

「強い国」であることは

政治的、経済的にも

そして安全保障上も、

非常に重要となります。

 

世界の現実は

パワーゲームの中にあり、

世界の正義もまた

パワーゲームの結果に左右されます。

 

 

 

好評発売中!

 

Amazonにて販売中

 

 

■ 講演 ■ 
「偏差値30の東大生」
何故偏差値30のLAの不良は
東大大学院まで進めたのか

講演料:50,000円+交通費
90分を超える場合は要相談

 

講演お問い合わせはこちらから

 

大人の社会科授業
授業内容:

①「勉強の仕方」

②「安全保障論」

③「プロパガンダと広告」

④「経済学って面白い」


費用:お一人 5,000円
(飲食代別)

お申し込み方法など
詳しくはこちらの記事をご覧ください

 

ポストお問合せはこちらからポスト

 

取材、出演、執筆依頼 コンサルティング相談など

 

ペタしてね