日本が抱える領土問題は、

ロシアとの間の北方領土、

厳密には千島列島と南樺太も

未確定ではあります。

 

韓国との間の竹島。

 

残念ながらこの2つの問題は

相手側による実効支配が及んでいます。

 

 

一方、

中国との間の尖閣諸島に関しては、

日本が実効支配しています。

 

しかし、尖閣諸島に対し、

中国からの圧力は

年々強くなっている状況であり、

尖閣防衛は現実的な

シナリオとなりつつあります。

 

 

中国は第二海軍と言われる

海警局の船舶がほぼ常時

尖閣諸島周辺を航行していますし、

その海警局の船舶に対して

武器の使用を認める法律も

中国は成立させました。

 

しかし、

以前も書きましたが、

外交は相手の行動と

同レベルの行動を取る事が

原則となっていますので、

警察機関である海警局の船舶に対して

海上自衛隊が出て行く事になると、

 

「日本が事態をエスカレートさせた」

 

という中国側へ

大義名分を与える事となる為、

一部国内右派勢力が声高に叫ぶ

「海自を派遣し沈めろ!!」

というカードは論外となります。

 

 

では、

このままで良いのかと言えば、

そうとも言えません。

 

ここで想定し得るシナリオとしては、

 

①突然中国海軍が

中国陸軍の兵士を満載にした

輸送艦と共に進行してくる。

 

はあり得ません。

 

起こり得るシナリオは、

 

 

②「中国の漁船」が尖閣諸島に近付き、

船員が上陸する。

 

という事態でしょう。

 

この「中国の漁船」、

勿論普通の漁船では無く、

漁船を装った工作船であり、

上陸したのも漁師では無く、

特殊部隊員です。

 

 

しかし、

「国境の壁」が破られたものの、

ここで日本側には

「法律の壁」が立ちはだかります。

 

実際には特殊部隊員だとしても、

漁民を装われている以上、

 

「日本の領土に不法入国の外国人が居る」

 

という事態にしかなりません。

 

その為、

日本が法的に取れるカードは

「軍事行動」では無く

「警察行動」となります。

 

海上自衛隊では無く、

海上保安庁が出動し、

「取り締まり」を行う必要が生じ、

仮にそこで銃撃戦が起こっても、

不良外国人が日本で発砲、

というだけでは

「軍事行動」が取れないという

法的に厳しい状況となります。

 

 

その後、

仮に上陸した漁民を敵性勢力を認定し、

防衛出動に移ったとします。

 

沖縄本島から尖閣諸島まで約410キロ、

既に陸自最強の離島奪還の特殊部隊

水陸機動団が

沖縄本島で準備していたとして、

海自の艦船では10時間以上かかります。

 

陸自の輸送ヘリ「チヌーク」では、

40名前後を乗せ

巡航速度240キロで飛んだとして

2時間弱。

 

反対派の多い「オスプレイ」ですと

30名前後を乗せ

巡航速度446キロで飛び

1時間弱となります。

 

スピードが重要な軍事作戦に際し、

オスプレイが如何に重要な

兵器であるかが分かりますし、

反対派が何故

反対するのかも分かりますね。

 

とは言え、

ヘリやオスプレイでは

輸送力の限界から

主力の投入とはいかない為、

偵察部隊、先遣部隊の派遣に留まり、

主力は海自の輸送艦を用いての

展開となるでしょう。

 

 

さて、

そこで水陸機動団が上陸したとして、

やはり法の壁は

色々と立ちはだかります。

 

これは各種PKOでも

問題として浮上しますが、

発砲許可の問題が起こります。

 

現場はほぼ戦場であっても、

「政治的判断」が

会議室で求められます。

 

自衛隊員は

銃を携行していても

簡単には発砲が出来ないのです。

 

その過程で隊員が仮に負傷し、

ヘリで一刻を争い

沖縄本島へ輸送するとして、

軍医がそこに居ない場合、

医師法の問題から

負傷した隊員に対する処置が出来ません。

 

実戦経験の多い外国の軍隊では、

当然ながら全ての隊員に

戦場における医療行為が許されますが、

戦争を想定していない日本では

法の壁が

負傷兵への処置すら妨げます。

 

 

国境の壁が益々薄くなっている状況で、

法の壁という国内問題まで

あるのが現在の状況です。

 

 

 

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