国家が成立すると、

社会を守る軍隊が作られます。

 

当然ながら、

その国家の基盤となる

地理的要件に合った防衛形態が

取られるようになるため、

大陸国家では陸軍が強くなり、

海洋国家では海軍が強くなり、

モンゴルのような草原国家では

騎兵主体の陸軍となっていきます。

 

その伝統は21世紀を迎えても変わらず、

「ランドパワー」「シーパワー」という

安全保障用語として今に至ります。

 

北東アジアでは、

中国はランドパワーに勝る国家であり、

日本はシーパワーの強い国家です。

 

その中国が海洋進出を目論み、

シーパワーの強化を図っていますから、

日本やアメリカと競合するようになり、

昨日の記事で言う所の縄張り争いが

発生する状況となっているのが

21世紀のアジア情勢です。

 

 

昨日の記事では、

城についても書きましたが、

城の防御を高める工夫に

「堀」があります。

 

どこかの城に観光に行った際、

必ず見ていると思います。

 

江戸城でも、大阪城でも、

名古屋城でも彦根城でも、

水をたたえた堀が城の周囲を囲み、

防御力を高めています。

 

これを国家単位で見た時、

日本海、東シナ海、オホーツク海などが

日本にとっての堀となり、

常に日本を守ってきました。

 

元寇でモンゴル・朝鮮軍が

攻め寄せた際にも、

大きな被害を受けた

対馬の方には申し訳ないですが、

掘際で撃退したと言えます。

 

島国を攻略する際には、

海を渡る必要性がある為、

攻撃側にせよ防御側にせよ、

ランドパワーで激突する以前に、

海を制する「制海権」を

とる必要に迫られます。

 

 

つまり、

海を制する事で、

陸を制する事が出来る。

 

ということです。

 

 

しかし、20世紀、

航空機が発明されると事態が一変します。

 

戦艦が巨砲をどんなに装備しても、

30~40キロ先までしか攻撃出来ません。

 

一方、航空機でしたら

1000キロ先の敵を攻撃する事が出来、

海を制する為には、

空を制する必要が生じました。

 

現在は「航空優勢」という言葉が

最新の安全保障用語になっていますが、

かつては「制空権」と呼ばれた

空を制する事で、

「制海権」を取る事が出来、

陸へのアクセスが可能となります。

 

 

この空の重要性は

ランドパワー国家も同様です。

 

 

20世紀中盤にはミサイル技術が発達、

ヘリコプターの登場で

兵員や物資の輸送が

ピンポイントで行えるようになり、

益々空の重要性が増していきます。

 

 

さらに21世紀になるとドローンが登場し、

戦場がさらに一変しました。

 

強力な兵器ではないドローンですが、

このドローンの登場により、

安価に、そして目立たずに

敵情視察が行え、

軽めの爆弾を装備すれば、

兵員や軽車両の攻撃も出来ます。

 

安価である為、

資金力に劣るテロ組織でも

容易に装備が出来、

その戦術の幅が大幅に増えました。

 

また昨年発生した

ナゴルノ・カラバフ紛争においては、

ドローンでの偵察、

ドローンを用いた攻撃、

ドローンで撮影した映像の

プロパガンダへの活用、と

ドローンが戦場の趨勢を左右し、

アゼルバイジャン軍の

ほぼ一方的な勝利となりました。

 

 

21世紀の戦場は、

空軍力ですらない身近な空の力が、

戦局を左右する時代となっています。

 

 

先日の記事「安全保障が生まれて」

 

 

 

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