ミャンマーで

「軍事クーデター」が起き、

世界を驚かせましたが、

成功、未遂を含め

軍が関与する政権交代は

実は毎年のように起こっています。

 

 

民衆蜂起が起こった際、

「軍はどちら側に付くのか」

という事が重視されます。

 

つまり、軍が付いた方が

勝者となるケースが多く見られます。

 

中東、北アフリカ地域での

政権交代などにおいては、

軍が民衆側に付く事で

政権移譲がスピーディーに

進んだケースは多いです。

 

 

また昨年、

王室に懐疑的な大規模デモに

発展したタイにおいては、

軍は当然ながら政権を担っている

2014年の軍事クーデターで成立した

現在の軍政側に付いている為、

王室が崩壊するか??

と言われたデモも

その勢いを失いました。

 

 

大統領選を巡る混乱で

ベラルーシに欧米からの

強い圧力がかかった際にも、

「軍はどちらに付くのか」

と注目されましたが、

こちらも政権側に付いたため、

今ではベラルーシにおける

選挙に依らない政権交代の目は

無くなったと言えるでしょう。

 

 

2016年にはトルコで

軍事クーデターが発生しましたが、

これも軍の主力が政権側に付いたため、

初動でエルドアン大統領を

捉え切れなかったクーデター側の

失敗に終わりました。

 

 

現在、

世界では建前上はほぼ全ての国が

民主主義国となっています。

 

しかし、

民主的に選出された訳では無い

軍の存在が、

政権並びに国家の行方を

大きく左右するのは事実です。

 

 

国際政治において

「パワー」は

全ての源です。

 

 

「パワー」を理解せずして、

国際政治、安全保障は理解出来ません。

 

それが単純に軍事的パワーを指し、

国VS国の力関係においてもそうですし、

経済力や文化力、情報活動力などの

所謂「ソフトパワー」と

呼ばれるものであってもそうです。

 

何がその国、組織の「パワー」であり、

それがどこに効いているのかを理解すると、

現在の国際関係や国内情勢を

深く理解する事が出来ます。

 

そしてその「パワー」は

民主的でなければいけない

決まりはありません。

 

だからこそ、

「パワー」を持つ軍には

絶対的な力があり、

国の行く末を左右する決定権が

時に与えられます。

 

 

日本もかつてこの「パワー」を巡って

混乱したことがあります。

 

2月に起こった2・26事件です。

 

軍の一部がパワーの行使を行い、

軍政を敷こうと試みますが、

昭和天皇の権威と強い決意は、

彼ら一部青年将校のパワーを

遥かに上回るパワーを持ち、

鎮圧されました。

 

しかし、一度は鎮圧された軍ですが、

陸軍は再度の2・26を

何度もちらつかせて、

その後の政治に対して

パワーを行使していくようになります。

 

 

軍には大いなるパワーがありますが、

王室、憲法、法律、民意など、

その他のパワー要素がそれを上回る時、

軍事クーデターは成功しません。

 

1936年の日本や

2016年のトルコがそうでした。

 

だからこそ、軍も軽々には動かず、

その状況下におけるパワーの位置、

軍の野心や

国民の求めに対する軍のやるべき事

などを総合的に判断することになります。

 

今回のミャンマーのクーデター、

ロヒンギャ虐殺問題で

国際的にも名声を落とした

スーチー氏には、

軍を抑えきれるパワーは無かった、

そしてそれを

軍も見逃さなかったということですかね。

 

 

 

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