言論の自由を

巨大IT企業が担う事を、

堂々と企業が宣言し、

そしてメディアがそれを許すという

異常事態の中、

なかなか米大統領選挙に関して

書きたい事はあっても、

書くことが出来ずにいました。

 

直接的な言及は避けますが、

今回の米大統領選挙は

異様ですし、異常でした。

 

 

プロパガンダの専門家の立場で

論評では無く分析をすれば、

両陣営、

そしてそれをサポートする陣営、

様々な方向からの

巨大プロパガンダ合戦となりました。

 

 

ロシアの下院議長が、

 

「郵便投票なんて

誰も管理できない投票システムを

導入している国が、

他国の選挙にあれこれ言うな!!」

 

と議会で発言していましたが、

仰る通りです。

 

民主主義も自由も

強権政治の前に

吹けば飛ぶようなロシアですが、

それでも今回のこの選挙の体たらくで、

ロシア下院議長の発言に

「民主主義の雄」を自認してきた

アメリカに反論の権利はありません。

 

 

「今回の選挙は公正だった」

と述べる人が居れば、

余程のバカでしょう。

 

民主党支持だから、

とそう述べたとすれば、

それは民主党は支持するけど、

民主主義は支持しない事を意味し、

アメリカがアメリカである価値の根底を

一人の大統領の失脚の為だけに

否定した事となりますし、

仮にテレビや新聞の情報から

心の底からそう信じているのなら、

その人の情報収集と分析の

プロセスに問題があり、

どちらにせよ余程のバカとなります。

 

 

大統領選に関しては玉石混交の情報が

飛び交っていますので、

何が正しくて何が間違っているのかは

難しい問題ですが、

主に郵便投票に関して疑義があり、

一部不正があった事は事実です。

 

そもそも郵便投票という

システムそのものが、

ロシア下院議長の言葉を借りなくても、

民主主義を

自ら否定するシステムですしね。

 

民主主義の根幹を支える、

平等選挙=一人一票

は、期日前郵便投票をして

他州に引っ越せばまた投票できる段階で

崩壊していますし、

秘密選挙=誰に投票したかバレない

は、郵便投票では

担保されていたか不明です。

自由選挙=自分の意志で投票する

も、郵便投票では誰かに強制されたり

代筆でされた可能性を排除できません。

 

この3点全てに疑義がある選挙なんて

途上国ですらそこまで酷くない・・・

というレベルです。

 

 

しかし、

今回の選挙を巡る

アメリカ社会最大の問題点は、

「プロパガンダ」の存在です。

 

疑義がある所、

それを報道するのが

メディアの役割ですが、

大手メディアはそれを一斉に拒否し、

民主党に不利な情報は出さず、

共和党へのネガティブキャンペーンに

終始し徹底しました。

 

それを意図的に行う事を

会議で話し合った事まで

明らかになっていますが、

民主党に有利でさえあれば、

どんな行為も意図も

徹底して守る姿勢をメディアは貫き、

プロパガンダを実践します。

 

そして、それに反旗を翻した

ネット世論に対しては、

巨大IT企業たちは言論封殺に出ます。

 

彼らはプラットフォームではなく、

言論に対する生与奪権を持つ

民主主義国家における王、

メディアにならんとしました。

 

共和党支持者のアカウント停止、

彼らが新たに使い始めた

プラットフォームの

アプリからの削除など、

なりふり構わない言論封殺でした。

 

巨大IT企業と主要メディアが

民主党と組んだプロパガンダには、

印象操作、

報道しない自由の行使など

古典的世論操作の手法が多く使われ、

その情報により多くの人が

正しい情報にアクセスできず、

印象操作のままの

印象を持つに至りました。

 

 

一方、

一部ネットメディアやSNSを駆使した

共和党サイドが「正しい」情報を

発信したかと言えば、

それもまた違います。

 

数多くの「陰謀論」と呼ばれるような

デマ情報が拡散し、

自分たちで自分たちの主張の

信憑性を下げる情報が流布していました。

 

勿論、それらの情報もまた、

熱心に信じる人たちが居て、

巨大メディア側のプロパガンダと

それに流される民衆、

新興ネットメディアとSNS側の

プロパガンダとそれに流される民衆、

と情報弱者たちの扇動に

両陣営が力を入れ、

それを成功させました。

 

 

何故このような事態が起こるのか、

それは

 

「人は信じたい情報を信じる」

 

という特性にあります。

 

どんな荒唐無稽な情報であれ、

それが欲しいと思っている

情報であった場合、

人は簡単に信じてしまいます。

 

多くの詐欺事件において、

「なんでそんなの信じたの??」

と周囲が思うような詐欺話でも、

本人の「信じたい」と思った

情報を提示した場合、

簡単に騙されてしまいます。

 

これと同じケースが、

数千万人の民主党支持層と、

数千万人の共和党支持層に

同時に異なる情報に対して起こり、

プロパガンダに扇動され

分断された状況となってしまいました。

 

 

勿論、

そもそも論で言えば、

こんな民主主義とは呼べないような

選挙システムで選挙をしている時点で、

プロパガンダも他国の干渉にも

付け入る隙を与えていますので、

誰が悪い以前に、

アメリカの今回の選挙制度が

悪いんですけどね。

 

 

20世紀、世界の警察、王であった

アメリカですが、

かつて栄華を誇った大英帝国が衰退し、

アメリカの子分に成り下がったように、

国際政治の地殻変動の始まり、

アメリカの終わりの始まりになると

私は見ています。

 

 

 

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