戦いの続くナゴルノ・カラバフ紛争は

ロシアの強権で

一旦は停戦合意に至りました。

 

やはりこういう時には

ソフト路線よりも

ハード路線の方が

物事は進みますね。

 

しかし、散発的な戦闘は続き、

両陣営とも

本格的な収束への気配は無く、

混乱は今後も続きそうです。

 

 

同地域は、国際的に

イスラム教徒が多く住む

アゼルバイジャン領と

されていますが、

アルメニア正教徒の多いアルメニア側は

100年前に

両国がソ連に組み込まれた段階から

納得しておらず、

両国独立後に同地域及び周辺地域の

実効支配をしていました。

 

この主要宗教が

キリスト教とイスラム教の

関係もあるのか、

ヨーロッパのスタンスとしては

ナゴルノ・カラバフが

アゼルバイジャン領であることは

認めつつも、

アゼルバイジャン側の攻撃で

アルメニア系一般市民の

被害が出ています、

などアルメニア側に立つような

報道も目立ちます。

 

これが逆の立場だったら、

EUでの非難決議からの経済制裁、

などにすぐに結び付くのでしょうから、

世界が定義する「正義」なんて、

ノーベル平和賞と同じくらい

軽い存在です。

 

 

さて、

そのナゴルノ・カラバフ紛争において、

少々劣勢に立たされている

アルメニア側は、

散発的な砲・爆撃で

抵抗しているようですが、

だからこそ無差別的な攻撃にもなり、

前線から離れた後方の民家などへの

攻撃も起こっているようです。

 

アルメニア側の攻撃を受けた家の

女性が死亡し、

その葬儀を取材していた

ヨーロッパメディアの前で、

死亡した女性と親しい女性が

 

「全てのアルメニア人に死を!!」

 

と叫んでいました。

 

これが戦争が生む悲劇であり、

負の連鎖へと繋がります。

 

 

私はこの報道を観た時、

「マフィア」

を思い出しました。

 

「マフィア」の語源には

諸説ありますが、その1つに

「シチリアの晩鐘」があります。

 

1282年、

当時フランスが支配していたシチリアで、

フランス兵によるシチリア女性の

暴行事件が起こります。

 

これに怒ったシチリアの住民が

夕刻の祈りを告げる

教会の晩鐘が鳴る中で暴動を起こし、

 

「フランス人に死を、

これがイタリアの叫び」

 

と口にし、

フランス軍とフランス系住民を襲撃します。

 

この時の

「Morte Alla Fracia Italia Anela」

の頭文字が

「MAFIA」になるという説です。

 

どうやらイタリア語としては

少々強引なようで、

俗説に過ぎないとも言われていますが、

シチリアの晩鐘事件に関しては

実際に起こった歴史的事件で、

この時シチリアに

駐屯していたフランス兵は、

旧東ローマ帝国の征服の為に

準備していましたが、

この事件によってフランス兵は敗北、

東ローマ帝国征服に向けた計画も頓挫し、

歴史が変わった事件でもありました。

 

 

一人の住民が、

特に他の集団に属する人物によって

被害を受けた時、

その周辺にいる多数の住民が

 

「〇〇に死を!!」

 

となるのは、

野蛮な振舞いというよりは、

自然な感情だと思います。

 

それは13世紀も21世紀も

25世紀も30世紀になっても

変わらぬ人間の感情でしょう。

 

そしてその報復が、

相手側の被害を産み、

その被害者に関係する多数の人が

 

「△△に死を!!」

 

と叫ぶでしょう。

 

これが戦争がもたらす負の連鎖ですが、

難しいのは、この地域において

これが昨日今日始まった問題ではなく、

直近では30年前からもつれ、

100年前に根を持ち、

そして何世紀も前から混在する中で

問題を抱えていた地域

という事なんですよね。

 

 

 

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