近年の日本で気になる風潮が、
政治家にせよ、芸能人にせよ、
スポーツ選手にせよ、
聖人君子を求める傾向です。
「知識・徳に優れた
高潔で理想的な人物」
とされる聖人君子、
街を歩けば出くわすような
凡人であるはずも無く、
1クラスに1人、1企業に1人の
割合だって多過ぎるくらいです。
しかし、
それ程の人物に求められる素養を、
人は「有名人」に求めがちであり、
そうで無いことが分かった段階で、
特にネット世論が
「正義の鉄槌」の裁判官となり
私刑を課し、
謝罪と社会的制裁を強く要望します。
吉田茂が池田勇人が田中角栄が、
日本を前進させた事は
言うまでもありませんが、
軒並み愛人が居ましたし、
それぞれ剛腕であり、問題発言も多く、
政敵も多い人物たちです。
また、戦前・戦後の大物政治家
三木武吉に至っては、
「愛人を4人持つ」と選挙期間中に
対立候補に指摘されると、
「4人では無く5人だ」と訂正し、
「数字を間違える候補よりも私に!!」
と呼びかける大物振りを発揮し、
合計11回の当選を果たしています（笑）
政治家は
「国や地域を前進させるプロ」
なのであり、
有権者に求められるのは
聖人君子なのは誰か、では無く、
国や地域にとって有益な政治家は誰か、
となります。
「プロ」とはそういうものであり、
能力が無ければ
家柄が良くても捨てれば良いのであり、
清濁併せ呑んででも、
一流のプロを
選出出来ていないのであれば、
それは投票権を持つ国民のレベルが
低いという事に他なりません。
スポーツ選手も、
その競技において
「勝利するプロ」であるのであって、
聖人君子であるか否かを
競ってはいません。
勝負の世界に生きる
人間たちですから、
ギャンブルもするでしょうし、
男女問わず夜の世界で
肉食だったりもするでしょう。
また言動が不遜だったりも
するかもしれませんが、
彼らに求められる能力は
あくまでも聖人君子である事では無く、
「勝負に勝つ事」の一点であり、
それが為にプロをやっています。
芸能の世界の人間に関しては、
誰かお偉いさんの
見えざる手によって
キャスティングなどが
決まったりもする為、
何がどうプロなのかは微妙ですが、
それでも一般人にとっては
どうでも良い問題でも、
謝罪会見がどうのと求めがちです。
どの分野のプロの人間であっても、
それが法律違反なのであれば
逮捕・起訴もされるでしょうし、
社会的制裁では無く、
法的な裁きを受けるべきです。
大麻を常習せざるを得ないような
アホはどんどん
逮捕されれば良いですが、
カメラの前で
「ご迷惑をお掛けし・・・」
なんて言う必要はありません。
少なくとも私には
何の迷惑も掛かっていませんし、
日本国民の99％以上の人にも
迷惑はかけていないはずです。
いつからか、
そしてどうしてか、
日本は聖人君子を
他者に求めるようになり、
それと共に、
「プロ」を見極める余裕と視野を
失っている気がします。
清濁併せ呑むものの、
仕事をこなすプロでは無く、
高潔さこそが重視されるようになり、
魅力と能力を失った
中途半端で去勢された人たちが
溢れる国に
なってしまっているように思えます。
「偏差値30の東大生」
お問合せはこちらから
