「南カフカス地方」と言われて、

ピンと来る日本人は

少数派だと思います。

 

同地方に存在する

国際的に承認されている独立国は

「ジョージア」

「アルメニア」

「アゼルバイジャン」

です。

 

どうですか??

 

やはり馴染みは薄いと思います(苦笑)

 

 

さらに、

「ナゴルノ・カラバフ」

「アブハジア」

「南オセチア」

が「事実上独立した国」となっています。

 

 

この地域は、

アジアに属するものの、

旧ソ連領で、

北にロシア、

西に黒海と南西にトルコ、

東にカスピ海と南東にイラン

がある地域で、

歴史的にもモンゴル帝国、

ペルシャ領、オスマントルコ領、

ロシア帝国・ソ連領と

その時々の大勢力に

飲まれて来た地域です。

 

ソ連崩壊と共に3ヶ国とも独立します。

(地図はWikimapia.orgから引用)

Tbilisiのあるのが「ジョージア」

エレバンがあるのが「アルメニア」

バクーがあるのが「アゼルバイジャン」

 

 

「ジョージア」

大相撲の栃ノ心関や臥牙丸関の

出身国であるため、

国名は馴染みがあるかもしれません。

 

その「ジョージア」内に、

「アブハジア」「南オセチア」

両地域があり、

日本の世界地図では

全てジョージア領ですが、

現実的にジョージアの支配権は及ばず、

事実上独立しています。

 

そしてロシアは

両地域を独立国として承認、

ロシアの世界地図では

明確に国境線があり、

軍も派遣しています。

 

 

「アルメニア」

国を東西から

「アゼルバイジャン」に挟まれています。

 

東にアゼルバイジャン本国、

西にナヒチェバンという

アゼルバイジャンの飛び地があります。

 

 

そして、

「アゼルバイジャン」内に

「ナゴルノ・カラバフ」があり、

同地域はアルメニア人が多く住み、

旧ソ連時代から

「アルメニア」「アゼルバイジャン」

両地域の係争地となり、

独立後も度々衝突、

現在はアルメニアが

周辺のアゼルバイジャン地域含めて

実効支配しています。

 

 

何故これ程揉めるのか。

 

「ジョージア」

主にジョージア人で構成され、

正教会に属する

ジョージア正教の地域です。

 

「アルメニア」

アルメニア人で構成され、

アルメニア正教の地域です。

 

アルメニア正教は、

11世紀に起きたキリスト教の

ローマ・カトリックとギリシャ正教への

東西分裂以前から分離していた

独自路線のキリスト教です。

 

「アゼルバイジャン」

アゼルバイジャン人が住む

イスラム教シーア派地域です。

 

民族、宗教が異なる人たちが

狭い地域に住み、

一部は他国の一地域で

主流派だったりする。

 

もう火種しかありません。

 

 

そんな

「アルメニア」と

「アゼルバイジャン」が

12日から戦端を開き、

双方が砲撃、爆撃の映像を公開し、

互いに戦死者、

民間施設の被害なども

出ている状況です。

 

古くからの紛争地であった

「ナゴルノ・カラバフ」ではなく、

別の地域での戦闘の開始は

驚きを持って報じられましたが、

火種しか無い地域ですので

「また」という感想も同時に抱きます。

 

 

戦争というと、

日本では侵略的野心を持つ

指導者の悪意によって

戦端が開かれる、と

そんなイメージで

語られる事があります。

 

シリア紛争ではアサド大統領が

そのイメージで語られる事がありますが、

彼は1㎜も他国を侵していません。

 

シリアでリビアでイエメンでマリで、

日々戦闘が続いています。

 

「戦争なんてやめれば良い」

自分に関係のない地域の話でしたら、

人は「正論」を簡単に述べられます。

 

しかし、

彼らは彼らの正義のために、

他国を侵略するのではなく、

武器を持って戦っています。

 

戦闘は

誰かの野心や理想の為以上に、

まず現実的にそこにある、

そんな地域が

世界にはいくつもあります。

 

 

現在、

アルメニア・アゼルバイジャンの対立は

急速にエスカレートし、

アルメニアは

アゼルバイジャンのダム攻撃を

ちらつかせ、

アゼルバイジャンは反撃としての

アルメニアの原発攻撃まで

言及しています。

 

当然ながら古くからの紛争地、

ナゴルノ・カラバフに飛び火する

危険性も捨てきれません。

 

 

「日本人」が単一民族でないことは、

現在では明らかですが、

一体性を持つ日本人が、

他国と領土を接さず島国に住んでいる、

これだけでどれだけ幸せな事か、

世界の紛争を見ると思い知らされます。

 

だからこそ、副作用として、

奈良時代の頃から、

日本人はどこか

平和ボケの感覚があるのですが・・・

 

 

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