安全保障の世界に、
「ABC兵器」というものがあります。
Atomic（原子力）
Biological（生物）
Chemical（化学）
の3種の大量破壊兵器を
指したものです。
世界には
核拡散防止条約、
化学兵器禁止条約など、
ABC兵器を抑制する様々な
条約や取り組みはあります。
しかし、
戦争や戦闘を前にして、
百万の言葉が
何の意味を持つでしょうか。
現に超大国と言われる
国連安全保障理事会の常任理事国自身が
ABC兵器を持ち、
それを抑止力としている以上、
その言葉に重みはありません。
「何故核兵器は無くならないのか」
という質問は、
ABC兵器全般にも言えます。
そして、その答えは
「そこに既に兵器があるから」
に尽きます。
ABC兵器は戦局を一変させる
「最終兵器」です。
アルファベットでは始まりのABCも、
安全保障では
終わりの単語となります。
世界中から核兵器を
廃絶出来たとしましょう。
しかし、仮に誰かがズルをして
1発だけ隠し持っていたとします。
すると、
その者が国家であれ、
テロリストであれ、
大富豪であれ、
世界の王となります。
何故なら、
それは世界の何十億の人口の内、
任意の何百万、何千万の人の命を
一瞬で奪う事の出来る
手立てを手に入れた、
命の選択権を手にした事と
同義になるからです。
その恐れから逃れる為、
その命の選択権を行使した人物を、
次の段階において抹殺する為に
もう一発の核兵器を必要とします。
世界の王になるために、
そして世界の王に
誰かをさせない為に、
核兵器やABC兵器が
溢れてしまうという
シュール過ぎるジレンマが
生まれてしまいます。
明日はここから
新型コロナウィルスへと
話が展開していきます。
つづく
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