ホテルのラウンジで

カフェタイムを楽しんでいると、

隣の席はメディア関係者数人と

医師と思われる男性が

番組出演に向けた話をしていました。

 

何故気が付いたかと言えば、

男性医師が

 

「〇〇に△△酸が

有効とは言い切れません」

 

と語気を強めて述べ、

その後もメディア関係者が

言葉を変えながらも同じ質問をし、

 

「だから、

有効関係は見いだせないんです」

 

「私はテレビでそれが有効だ、

なんて言えません」

 

と散々押し問答を繰り返し、

最後には男性医師に

席を立たれてしまったのが聞こえたから。

 

メディア出演の誘いに乗って、

真偽不明の情報を

ペラペラと話すことを拒否した

男性医師は凄いです。

 

 

その後、席を立たれた

メディア関係者たちは反省会。

 

ただ、誤った情報で

番組を作る事への反省ではなく、

如何に医学的に正しくなくとも

自分たちが思い描いた

番組構成に乗って話してくれる

専門家を確保するのか、

についての反省。

 

 

そう、

彼らにとって重要なのは事実では無く、

自分たちが考えた

番組構成を変えることなく、

そこに専門家を揃えること。

 

 

実は、

私もそんな事に図らずも

手を貸してしまった事があります。

 

 

歴史を取り上げる番組で、

散々

「それは違います」

「その解釈は主流では無いです」

と繰り返し述べても、

同じ質問を何度も何度もされ、

先の男性医師のように

席を立つ決断は出来ないまま、

 

「そう言えなくも無いですが、

そう考えるのは少数だと思いますよ」

 

と口を滑らせたのが全て。

 

「そう言えなくもない」

の言質が取れ、

笑顔で席を立つディレクター。

 

後日番組を観ると、

 

「今は〇〇と言われています」

 

と散々違うと言った説が紹介され、

下に「加藤ジェームズ氏談」と

テロップを入れられてしまいました。

 

これで、ディレクター氏は

自分たちの思い描いた番組を作れた上で、

内容に関する責任は

私に丸投げが出来ましたので、完全勝利。

 

番組監修費は頂きましたが、

非常に気の重い収入となりました。

 

 

メディアに踊る情報には、

真実よりも番組制作者が考える

キャッチーさ、面白さが

優先されるような例は多々あります。

 

バラエティや情報番組だけでなく、

報道番組、ドキュメンタリーでも同様です。

 

 

よく使われる手法に

「街の声」と称して、

自分たちの意図通りの発言をした人を

選別して番組で紹介し、

世間一般はこう考えている、

と誘導する手法があります。

 

また、仕込みの人を用意し

一般人のように

話してもらう手法もあります。

 

アンケートと称して、

自分たちの意見に近い人が

集まる場所で聞いたり、

コメンテーターに番組側が用意した

意見を述べてもらったり。

 

 

これらの手法は、

「皆と同じになりたい」という

意志の弱い大多数の人をターゲットに、

 

『「皆」はこう考えているよ~』

 

と誘導する手法です。

 

 

報道からバラエティまで

「メディアは誘導する」

そう考えながら観ていくと

「あっ、ここで誘導しようとしたな」

が見えてきます。

 

そのメディアへの冷静な視点や

メディアリテラシーが無ければ、

国家的プロパガンダでなくとも、

視聴者は簡単に誘導され、

製作者の思惑のままに

行動してしまう事になってしまいます。

 

 

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