新刊『国境を守る7つの道』の中で、

安全保障の要素として

「文化」を上げました。

 

具体的にはソフトパワーと言われる、

映画や音楽、アニメなど

自国の文化を通じて、

相手国における好感度を増やし、

その事によって

影響力を拡大させたり、

対立を和らげたりする

安全保障対策です。

 

本の中では、

いくつかの映画を取り上げて、

中国の影響力によって

内容やキャラクターが

中国が喜ぶように変更された

事例を記しましたが、

その事例が大ヒットコンテンツ

『トップガン』の最新作でも

見られるようです。

 

 

1986年の大ヒット映画『トップガン』では

主役のトム・クルーズ演じる

マーヴェリックが着る

革ジャンの背中には

日本と台湾の国旗が

米国旗などと共に入る

パッチが付いていました。

 

一方、

その続編で2020年に公開される

『トップガン マーヴェリック』では、

同様に革ジャンを着ているものの、

その背中のパッチから

日章旗と台湾国旗が消えています。

 

パッチのある場所は同じ、

しかし、そこは赤と白を用いた

日章旗と似ているようで

別のデザインに差し替えられています。

 

明確な理由は不明ですが、

このトップガンの最新作には

中国の大手IT企業が

スポンサーとして関わっています。

 

映画内容などでは無く、

主人公が着る革ジャンの

パッチ1つですが、

そこにある日章旗と台湾国旗は

中国市場をターゲットにした際、

邪魔な存在となります。

 

これがソフトパワーの力です。

 

中国にとって

最も不都合なのは台湾国旗でしょう。

 

スポンサーとして大金を投じる事で、

映画の中から中国が認めない

独立国としての台湾の存在を

消すことに成功し、

ついでに日本の存在も消し、

中国で安心して

配信できる映画としました。

 

ハリウッド側としても、

これで安心して中国市場に

売り込むことが出来、

両者の思惑が一致します。

 

 

たかがパッチ1つ、

と思われるかもしれませんが、

多くの人が目にする

ハリウッドの人気映画から、

1つ1つ中国にとって

都合の悪い部分は消され、

中国を礼賛するシーンが増える事で、

世界中の次世代を担う子供たちに

中国への好印象を

第三国であるハリウッド発で

植え付ける事が可能となります。

 

 

ハードパワーである軍事力と異なり、

すぐに政治を変えるほどの影響力は

ソフトパワーにはありません。

 

しかし、広く着実にゆっくりと浸透し、

人々の思考や嗜好に

影響を与えますので、

ソフトパワーの問題は

長期的視野で

考えなければいけません。

 

 

6月24日新刊発売!

 

Amazonにて販売中

 

 

■ 講演 ■ 
「偏差値30の東大生」
何故偏差値30のLAの不良は
東大大学院まで進めたのか

講演料:50,000円+交通費
90分を超える場合は要相談

 

講演お問い合わせはこちらから

 

 

ポストお問合せはこちらからポスト

 

取材、出演、執筆依頼 コンサルティング相談など

 

ペタしてね