現在、

ヨーロッパに流れる

政治的流れの特徴は、

EU懐疑派の右派民族主義政党と、

親EU派の環境保護派「緑の党」系が

今までのEUの主流であった

中道勢力を駆逐し

台頭している事です。

 

異なる双方の勢力が伸びていますから、

今までのオールラウンダーな

中道路線が飽きられ、

よりストレートで極端な主張が

好まれる傾向が

顕在化していると言えると思います。

 

これもSNS時代の特徴かもしれません。

 

 

さて、

環境保護派ですが、

ドイツでは特に勢力を伸ばしています。

 

ドイツは既にメルケル首相が

脱原発を進めるなど

環境政策では尖っていましたが、

より先鋭化した主張が

現在は台頭しています。

 

彼らの主張では、

全面的な国内の電気自動車化、

石油燃料を使う飛行機旅行から

電車旅行へのシフト、

電動キックスケーターの更なる普及、

などが挙げられています。

 

勿論他にも主張はあるのですが、

ここで取り上げたのは

 

「電気」

 

という側面に着目した部分です。

 

 

この石油燃料から

電力へのシフトの主張は、

世界的にも多く聞かれるものですが、

「電気は本当にエコなのか」

という部分に関しての議論が

抜け落ちているケースが多く見られます。

 

電気は安全保障の観点から

論じなければいけない

国家の基本的エネルギーです。

 

今、電気の無い社会を想像して下さい。

 

恐らく社会活動が

一斉に停止するでしょう。

 

夜の灯り、ネット、テレビなどの娯楽、

産業活動、工場の稼働などの経済活動、

安全の確保、衛生管理、病院、軍事、

全ての国家活動のベースに

電力は使用されています。

 

つまり、

先進国、工業国であればある程、

それだけ大量の電力を必要とします。

 

特にドイツは

自動車産業に代表されるような

工業で経済を支えていますので、

電力の確保は

国家の命運を左右します。

 

それだけの電力、

残念ながら現在の技術では

風力や太陽光では生み出せません。

 

大量の化石燃料を燃やす火力発電か、

原子力発電が

ドイツの場合は必要となりますが、

先述したように、

ドイツは既に脱原発を進めています。

 

その為に陥ったのが、

化石燃料依存です。

 

また、ガスに関しても、

現在ロシアとの間で

海底天然ガスパイプラインの

建設で合意しており、

潜在的脅威ではある

ロシアへの依存を高めています。

 

化石燃料とロシアに依存する

ドイツ社会と経済、

その現実を前に環境保護派は

何を思ってより電気を使う社会を

実現させようとしているのでしょうか。

 

ディーゼルエンジン車より

電気自動車の方が

CO2排出量が少ない、エコだ!!

と言うのならば、

その電力が

どう生み出されているのかの議論は

何故置いて行かれるのでしょう。

 

ならば自国で生み出す

再生可能エネルギーの分の電力しか

使わなければ良い!!

という議論もあるでしょう。

 

そうなると直面するのが、

電気の無い社会です。

 

ドイツが生み出す

再生可能エネルギーの発電量は

火力発電を中心とした

国家全体の6分の1程度ですので、

経済規模を6分の1に

縮小させる覚悟が無ければ

取れない選択となります。

 

それに、太陽光パネルや

風力発電施設を

大量に建設しようと思えば、

当然森を伐採して建てる事になり、

それは環境保護の自らの主張に

矛盾する事となります。

 

 

「電気はエコ」

 

このフレーズ、

実は安易に

使うべきでは無いんですよね。

 

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