「バイトテロ」と呼ばれる
業務中の不適切行為の
SNSへの投稿問題が
再度活発化しています。
倫理、法令違反なだけでなく、
損害賠償を求められるような行為でさえ、
隠れてやるのではなく、
世界に向けて発信するのですから、
SNSが「バカ発見器」と
言われるのも頷けます。
とは言え、彼らの行為を
単純にバカな行為で片付け、
損害賠償による懲罰で
議論を終えてしまっては、
社会全体の風潮を
捉えきる事が出来ません。
バイトテロが投げかける問題は、
①本人たちの行為
②企業の経営方針の問題
③経済理論の問題
と3つの階層から成り立っています。
本人たちの行為に関しては、
「バカな連中のバカな行為」
の一言であり、
職を失い、損害賠償が請求されても
当然の結果でしょう。
企業サイドの問題では、
バイト達がバカ行為に及んだ状況が、
バイトのみの状況だったにせよ、
正社員が黙認していたにせよ、
その環境を生み出している
結果責任を負う必要があるのは
企業側です。
にも拘らず、
バカバイトだけに
企業全体の損失までの
責任を追及していては、
山一証券社長の言葉の真逆、
「社員が悪いんです、
私は悪くありません」
と言っているようなものです。
経営幹部の不祥事や経営手腕不足による
業績の悪化に対して、
社内で損害賠償の
追求がなされることは稀であり、
バイトが生んだ業績悪化は損害賠償対象、
自分たちの経営手腕不足の
業績悪化は許してね♪
ではダブルスタンダードとも言えます。
社員、バイトの企業へのロイヤリティは、
結局は賃金に比例します。
給与が高ければ、
忠誠心、やる気を得る事が出来、
安ければその逆です。
一方、企業の業績だけを見れば、
高給正社員の数を極限まで減らし、
派遣、バイト、外注を最大限に増やせば、
人的コストを下げる事が出来ますので、
見た目上の業績を
上げることが出来ます。
つまり、企業側の問題としては、
業績を最大化させる為に、
人件費を最小限に抑え、
現場のバイト率を
最大化させる選択をしたことが、
バイトテロを産む環境を
生み出している側面があり、
その結果責任の一端は、
その判断を下した
経営側にあるとも言えます。
最後に経済論理の問題ですが、
②で論じた通り、
企業は多数の
低賃金非正規労働者によって
高収益を産む
経営環境を選択しました。
市場の原理の結果、
それらの企業は成長し、
神の見えざる手か、
私たちが選択した最適解が、
大多数の貧困とごく少数の大富豪がいる
社会に至ったことになります。
しかし、
前回の米大統領選では
社会主義者の候補が善戦し、
現英国労働党党首も
民主社会主義者ですし、
極端に発展した資本主義への歪みが、
資本主義のお膝元の国々に
社会主義への期待を生み出しています。
偉大な経済学者ハイエク的に
市場に任せる結果、
過度な資本主義企業が
敗北する局面を迎え
社会の調整が行われるのか、
本格的な社会主義的
国家介入によってしか
資本主義の暴走の調整は無理なのか、
低賃金バイトが主となる労働環境と
そのバカな暴走を通してさえ、
世界的に行き過ぎた
資本主義の歪みが見て取れます。
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