人類が狩りや戦闘を目的とした

武具や戦略を編み出して以降、

人類は技術を進化させ続け、

安全保障上の

距離を伸ばしてきました。

 

こん棒や刀剣主体だった時代から、

長距離攻撃を可能にすべく

数万年前の段階で弓、

数千年前には投石器を開発します。

 

長距離攻撃の利点は、

こちらが攻撃を受けることなく、

相手を攻撃出来る

「アウトレンジ」攻撃です。

 

攻撃が直接攻撃から

遠距離攻撃になることで、

戦場面が広がり、3次元化します。

 

これは防御思想にも現れ、

本丸を防御する二の丸、

さらに外郭に三の丸を配し、

その外周には堀を巡らせ、

近寄る敵を城内から遠距離攻撃する。

 

城郭の発展は、

兵器の長距離化とは切り離せません。

 

 

鉄砲が登場し、

さらに大砲が登場すると、

城はさらに

巨大化するようになりますし、

大砲がより強力になると

城の軍事的役割は無くなり、

塹壕や強固なトーチカが

防衛線となります。

 

 

航空機の登場は

軍事戦略を一変させ、

戦場は3次元であることが

基本となりました。

 

より遠くまで安全を確保したい、

より遠くの情報を得たい、

と航空機の航続距離も伸び、

攻撃範囲を広がり、

戦場と後方の差は無くなりました。

 

そんな航空機よりも、

より遠くへ・・・と

ミサイルが開発され、

世界中全ての場所が

戦場になる可能性がある時代となり、

宇宙空間が

最前線の1つとなっています。

 

全ては数万年前に

人類が弓を開発した

戦略思想の延長線上にあり、

攻撃射程を伸ばし、

アウトレンジから攻撃することで

防衛したい、

思想の根本は全く同質のものです。

 

 

今年、

ロシアが原子力ミサイルの

開発成功を発表し、

無限に飛び続けるミサイルを

手に入れたようですが、

究極の距離を手に入れたとも言えます。

 

 

自衛隊創設当初、

ミサイルを持つ国も少なく、

海で囲まれた日本を攻撃する手段は、

航空機と軍艦で押し寄せるしか

ありませんでした。

 

それに対して、

航続距離の短い航空機と駆逐艦、

水際での陸上からの攻撃で

防衛する戦略は、

ある程度有効でした。

 

しかし、

長距離爆撃機だけでなく、

ミサイルや無限に飛行する

原子力ミサイルまで登場する

現代の安全保障環境の中、

日本はようやく空中給油機を

導入しただけであり、

長距離爆撃機も、

攻撃用の長距離ミサイル、

遠洋への航空部隊を展開させる

空母も保有していません。

 

 

戦国初期の時代に戻って考えれば、

弓持つ敵軍に囲まれた城内で、

刀だけで防戦しようと

身を屈める足軽たちでしかありません。

 

弓の応戦があると思うから

用心深く距離を詰める敵軍ですが、

その弓の反撃が無いと思えば、

途端に城近くまで

押し寄せて来るでしょう。

 

放たれた矢は

刀で払い落とせば良い!!

敵が城に寄り付いてからが

白兵戦の戦機!!

 

日本の「専守防衛」なる思想は、

世界の兵器が距離を伸ばす中で、

完全に前時代的な

防衛思想になってしまいました。

 

 

確かに、日本の潜水艦は

世界トップクラスの性能を誇りますし、

世界最新鋭の戦闘機も

導入されています。

 

しかし、それを用いる為の

防衛思想の距離感が、

世界の技術革新に

追い付いていないのが現状です・・・

 

 

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