アラビア半島に位置し、

イスラエル、ヨルダンに面する死海が、

文字通り死の危機に瀕しています。

 

上流部の

ヨルダン川沿岸の開発によって、

死海に流れ込む水量が減り、

年々干上がっています。

 

これはカザフスタンと

ウズベキスタンが面する

アラル海と同じ現象で、

アラル海は

かつては世界4位の湖で

東北地方ほどの大きさがありましたが、

ソ連による灌漑や開発によって

現在では干上がって砂漠が広がり

湖面は5分の1にまで減少しました。

 

これと同じ運命を、

現在のままならば

辿るであろうことが

予測されているのが死海です。

 

既に沿岸部は数百メートルも後退し、

かつての湖面リゾートは

砂漠の中の廃墟と化しています。

 

 

そんな中で、

持ち上がったプロジェクトは

遠く紅海から水を引き、

死海の水量を

回復させるというものです。

 

しかし、そのプロジェクトは

地元の業者などからの

反対に遭っているようです。

 

地元業者は死海の水から

マグネシウムなどを取り出したり、

死海の塩を使った

製品を作っているため、

紅海の水を入れて

塩分濃度が下がるのを

嫌っているのだとか。

 

ただ、このまま死海が干上がれば、

それこそそれらの企業は

活動出来なくなります。

 

 

例えその先に滅亡が待っていても、

組織の論理によって

改善の手は打てない、

多くの破綻企業が陥る

典型的なダメ論理です。

 

死海の水を

ビジネス資源にしていながら、

死海の水が無くなることを承知で

改善の手は打たず、

同時に死海の水を

汲み上げる事もやめない。

 

人間の浅ましさとも言えますが、

人が集まる企業や組織において、

誰もその事に

気が付かないはずもなく、

むしろ組織だからこそ陥ってしまう

組織優先の理論に基づく

視野狭窄なのでしょう。

 

 

アラル海は

人によって消えました。

 

さて、死海もまた

人によって死を迎えるのか、

人によって生きる海となるのか・・・

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

ポストお問合せはこちらからポスト

 

取材、出演、執筆依頼 コンサルティング相談など

 

ペタしてね