「何かを守る」という場合における、

「武力・軍事力」の役割は

非常に大きく、

集団の正当性を担保する

存在であることを昨日記しましたが、

それは国際政治における

正当性もまた同じです。

 

 

百の理論よりも

実例こそが雄弁に語ります。

 

南シナ海において中国は

違法かつ強引に

海洋進出を進めていますが、

それを声高に非難する国は

ごく少数です。

 

圧倒的な軍事力の差を前に、

周辺国は「遺憾」は述べても

実質的には黙認しています。

 

それは米国もまた然り。

 

近海を航行はするものの、

具体的な行動は起こしません。

 

米国もまた遺憾を述べ黙認し、

中国もまた

米国海軍艦艇の航行に

遺憾を述べ黙認するという、

暗黙のルールが

作られてしまっています。

 

 

ロシアのクリミア半島併合を

多くの国が認めていませんが、

だからと言って

一切の軍事的措置は

取られていません。

 

イラクがクウェートへ侵攻した際には、

湾岸戦争へと発展しましたが、

近年軍事力の回復著しい

ロシアの領土併合に対しては、

影響力の小さい

経済制裁は課すものの、

強制的な排除行動は

取られていません。

 

 

シリア内戦において、

米軍がシリア政府軍に

ミサイルを発射する時、

ロシアは黙認しますし、

ロシア軍が反政府勢力に

ミサイルを発射する時、

米国は黙認します。

 

 

何が国際社会のルールなのか、

規範に強制性を与えるのも

軍事力ですが、

ルールそのものすらも

主に軍事力、

従属的に経済力によって

変化するのが現実なのです。