2001年9月11日以降、
「対テロ戦争」の時代に突入しました。
専門用語で
「非対称戦争」と呼ばれるもので、
守るべき明確な拠点、土地があり、
ハイテク兵器を有する国家と、
守るべき本拠地も
国境線で区切られた
主権のある土地も無く、
どこにいるのか不明で
物理的攻撃力に劣るテロ組織。
あらゆる面で対称ではない
両者が戦う時代です。
アルカイダを匿う
アフガニスタンへの侵攻に続き、
アメリカが目を付けたのが
イラクのフセイン政権でした。
「テロ組織に繋がる情報がある」
「イラクは核兵器を含む
大量破壊兵器を有している」
とアメリカCIAや
イギリスMI6の情報を基に、
「我々の情報によれば」と
米英は国連の場を含めて主張し、
開戦に踏み切ります。
CIAやMI6が掴んだ
「我々の情報」にも関わらず、
イラクからは核兵器もテロ組織との
繋がりも見つかりませんでした。
後年、イギリスの調査委員会は
当時の情報収集とブレア政権の判断は
誤りだったと結論付けます。
誤った情報に基づく戦争を
「情報収集プロセスに問題があった」
と述べた所で、
失われた人命は戻ってきません。
その後の経緯は、
イラクやシリアの分断、
アラブの春からの各地の内戦と
大量の難民です。
きっかけは
問題のあった「我々の情報」と
それに基づく為政者たちの
開戦の判断です。
失われた側には何も戻ってきませんが、
失わせた側は
今日も平和に日々が続きます。
つまり、誤情報に基づく行動は
往々にして「やったもん勝ち」となります。
そうなると、MI6が掴んだ
「核兵器保有の情報」とやらは、
米英政権を誤った判断に導いた
「誤情報」だったのか、
米英政権の思惑をサポートした
「世論誘導」だったのかは
本人たちの心の中にしまわれた
永遠の謎となります。
さて、ここ数週間
再び「我々の情報」の言葉を
よく聞きます。
報道官の記者会見で、国連の場で、
米英は再び
「我々の情報」による
シリア政権が化学兵器を保有し
使用した確固たる証拠を主張します。
シリア政府軍が包囲していた街において、
どうやって確固たる証拠を
集めたのかは不明ですし、
証拠の提示は行われません。
現在国際機関の調査団が
シリアに入っている状況ですが、
証拠があるなら
二度手間なんですけどね。
そして、今度は
調査団の調査を妨害し、
既にロシア側が証拠を隠滅させた
確固たる証拠があるようです。
シリア、ロシア側の主張も
疑わしいものは多々ありますし、
英米側の主張通りかもしれませんし、
本当に証拠があるのかもしれません。
ただ、
大き過ぎる前科を持つ米英の主張、
簡単には信じられません。
そして、米英側、ロシア側
双方の主張とメディア報道に
疑いの目を向ける冷静さこそが
必要となります。
しかし、
日本を含む西側諸国においては、
この米英の主張に基づく
報道が多くなされますし、
反対にロシアにおいては、
米英のでっち上げという
主張に基づいて報道され、
疑問は呈されません。
証拠の提示無き主張は
プロパガンダの可能性が高く、
それはたかが15年前のイラク戦争で
実証されているにも関わらず、
メディアの多くは
「我々の情報」に基づく
主張を受け入れ、
多くの国民は
その報道に素直に従います。
プロパガンダのメカニズムも怖さも、
研究が進められ実証されても、
結局は有史以来
今も、そしてこれからも
プロパガンダは国民世論を誘導し、
それを制するものが
戦争を制するんですよね。
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