21世紀は平和の世紀にしよう。
そんな事が
言われたこともありますが、
世界の現実は
戦争との共存を人類に強いています。
そもそも「平和な時代」なんてものが
人類に存在したことはほぼ無く、
世界のどこかでは
何十、何百の人命が日々失われる
戦闘を繰り広げています。
時代的特徴を挙げれば、
20世紀中盤までは
大国間の国家間戦争、総力戦の時代。
その後、局地戦や
大国が背後に控える
代理戦争の時代となります。
表向きは「冷戦」でも
現実的には
地域では「熱戦」だった時代です。
21世紀に入ると
「非対称戦争の時代」となり、
国家VSテロ組織という
新たな枠組みが出来上がります。
そしてこれからの時代ですが、
世界は再び国家間戦争の時代へと
向かうのではないかと危惧をしています
戦争へのリスクを高める要因として、
同盟の硬直化
があります。
これが第一次世界大戦を
招いたとも言われますが、
現在の中東問題を見ても、
ロシアを中心に
イラン、トルコ、シリアなどと、
欧米が断裂した状態にあります。
ブロック経済もまた
戦争の要因と言われますが、
欧米はロシアに経済制裁を課し、
欧州内でもイギリスのEU離脱問題、
EU内の貿易不均衡問題、
アメリカの関税障壁の問題など
各国の経済政策が
保護主義になりつつあります。
そこにロシアが
最新兵器を発表しました。
ロシアは既に広射程の
最新鋭地対空防衛ミサイルシステムを
稼働させており、
それを欧米が安全保障上の
懸念としていましたが、
さらに原子力巡航ミサイルの存在を
先日発表しました。
長距離ミサイルは、
これまでは弾道ミサイルであり、
一度発射されれば
後は弾道軌道で対象へと飛翔するため、
迎撃が理論上は可能でしたが、
ロシアの最新兵器は
原子力を動力にした
巡航ミサイルであるため、
低空を理論上は無制限に
飛び続けることが可能となります。
また、飛行ルートを飛行中も
自在に変えられるため、
核弾頭を搭載した無限に飛ぶミサイルが、
防空システムを避けながら対象まで
飛んでいくことが可能となります。
さらに、敵対水域奥深くまで潜入出来る
無人潜水艦の存在も発表され、
世界の安全保障環境が
大きく変化しました。
戦争は圧倒的戦力差のある状況か、
戦力の均衡状態では
起きにくいとされますが、
欧米とロシアの戦力状況が
これで不均衡化するとなると、
それは非常に危険な兆候となります。
事実上迎撃不可能とされる
原子力巡航ミサイルの存在を、
この時点で
プーチン大統領自らが発表したことは、
誰に向けての何のメッセージなのか。
読み違えますと大国間戦争への
扉を開けることにもなりますが、
アメリカはロシアの隣国
ウクライナへの兵器の売却を
発表と時を同じくして決定します。
シリアでも、
アサド政権を支援するロシアと、
反体制側への軍事支援を続ける
欧米という状況があり、
大国同士の引けないチキンレースが
激化していくことは
容易に想像が付きます。
その時日本は
どんな立ち位置で
どんな選択をするのか、
理想論ではなく現実を直視した
安全保障政策が
本気で求められる時代が
近付いているのかもしれません。
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