「安全保障」というと、

軍事的側面ばかりが

クローズアップされますが、

「国家の安全を保障する」ものは

何も軍隊だけではありません。

 

国家とは何かを考えた時、

そこには日本人がいて、

日本文化が含まれます。

 

守るべきは土地だけでは無く、

日本人の生命・財産も同様ですし、

その財産には

歴史、伝統、文化があります。

 

 

私たちが「日本の文化」だと

認識するものの多くは、

数百年、千年という単位で

日本において継承され、

江戸期に特に

発展したものだと思います。

 

浮世絵を

文化=カルチャーと称するのに対して、

近年の日本を代表するアニメや漫画を

サブカルチャーと称するのは、

その歴史の深さの違いが

大きな要因だと思います。

 

 

では、私たちの生活の中に、

江戸はどれ程残っているでしょうか。

 

落語も歌舞伎も、

日本の文化の1つですが、

その当時は

現在の漫才や現代劇のように

「今ある事象」を滑稽に語ったり、

演じたものでした。

 

長屋も横丁も廓も遊郭も無くなり、

町役も番頭も姿を大きく変えました。

 

こうなると誰が聞いても観ても

よく分かる「現代劇」だったものが、

知識が無ければ理解出来ない

「時代物」となり、

教養が必要な文化となっていきます。

 

サブカルから文化に

昇華したとも言えますが、

浴衣で落語を聞くのも、

着物で歌舞伎を観劇するのも

和装の知識が必要で、

さらにその内容を理解するのにも

教養・知識が必要で

妙に敷居が高くなってしまい、

文化が花開いた

江戸が遠くなった証拠でもあり、

多少残念な部分もあります。

 

 

日常の中で和服を着る機会は減り、

日本語でも足りる単語を

カタカナ語にしてみたり、

楽器も和楽器より洋楽器に馴染み、

食の洋食化は止まりません。

 

文化とは、

「かつてあったもの」ではなく、

「古くから伝承されたもの」であり、

現在進行形でなければ

「遺産」であって

「文化」ではありません。

 

 

アメリカ大陸やアフリカ大陸は、

欧米列強の植民地となった結果、

現在では同地域において

欧米の言語を話し、

欧米や中東の宗教を信じる人が

大半となっています。

 

彼らの伝統は

継承されなかったため、

彼らの信じたカミも、

彼らの言葉も失われていきました。

 

 

日本もまた同様です。

 

日本列島という国土が存在していても、

そこに住む私たちが

日本を忘れてしまっては

日本を守っているとは言えません。

 

私たちは国土と共に、

日本の歴史と文化、

伝統が作り上げた価値観を

2100年、2200年に向けて

継承し伝えていくことで、

日本を守る責任も負っています。

 

 

では、どのように

文化、伝統は継承出来るのか。

 

それは教育に他なりません。

 

海外に住んでいると、

日本語を失ってしまった日本人、

日系人の方に多く会います。

 

日本人の両親の元、

生まれ育ったにも関わらず、

日本語を失い、

日本食は食さず、

信じる神から

言語、食事、価値観まで

欧米流になる人がいます。

 

彼らは日本人なのか。

 

彼ら自身も

そうは思っていないでしょうし、

我々がそう思う事も

彼らには酷でしょう。

 

「日本人」「日本」は

血が作るのではなく、

教育が作っていきます。

 

 

小学校で英語教育が始まる昨今、

2100年の日本には、

何が継承されているんでしょうね。

 

 

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