裏通りの小さなバーの扉を開けると、

触れると火傷しそうな髪の長い女が

赤いカクテルを飲んでいる。

 

女の二つ隣のカウンターの席に着き、

バーテンに

「グレンリベット、ストレートダブルで」

と頼むと、無駄のない動きで

静かにスコッチを注ぐ。

 

次に扉を開けたのは

見るからにチンピラ風情の男で、

店に入るなり女の肩に手を置き

「おいお前、ボスを怒らせたな」

と上ずった声で凄み始めた。

 

やれやれ・・・

バータイムは静かに限る。

 

煙草を咥え、火を点けたら

チンピラの腕をねじ上げる。

 

「いてて!!何しやがる!!」

そうわめく男に

「バーなら酒の一杯でも注文しろ」

と腕をもう一捻りすると、

慌てて店を出ていった。

 

「強いのね。一杯ご馳走させて」

 

そう言う女に

「じゃぁ、ブラッディマリー、

ペッパー強めで」

と言い、

スコッチを一気に飲み干し

女の隣の席に着いた。

 

 

 

・・・さて、危険が一杯です。

 

酒、煙草、

近年では社会的害悪とされたりします。

 

チンピラも怖いですし、

棘がありそうな良い女との恋もまた

怖い怖い。

 

そもそも裏通りのバーなんて

危険すぎます(笑)

 

では次のストーリー。

 

 

大通りに面した

スムージースタンドに行くと、

眼鏡をかけた事務員風の女性が

一人ベジタブルランチを食べています。

 

店員さんに

「ほうれん草スムージーを」

と頼むと同時に

金髪のチャラ男が彼女に声を掛けます。

 

静かにして欲しいなぁ・・・

 

と思ったので

持っていた黄な粉棒を咥えながら・・・

さらに遠い席に移りました。

 

ほうれん草スムージーを

飲み干した私は店員に

「トマトジュース、塩分のないやつ」

と頼み、揉めてるテーブルから

一番離れた席へと向かった。

 

 

さ~て、

話は一気に安全になりました。

 

健康志向で野菜のスムージーと

塩分無添加のトマトジュースで、

煙草なんて吸いませんし、

危険は全て事前に回避です。

 

 

しかし、

これでは恐らく物語は生まれません。

 

それは映画や小説だけでなく、

その登場人物の人生そのものにも。

 

世の中、リスクの先にしか

便利さや楽しさはありません。

 

車で移動すると便利ですが、

時速20キロでも人と接触すれば

大事故になり得ます。

 

プールや海が楽しくても、

膝下の深さがあれば

死ぬリスクは一気に高まります。

 

登山やスキーの楽しさは、

常に山のリスクと隣り合わせです。

 

包丁は野菜や果物を

切る道具なだけでなく、

犯罪の凶器で

用いられることもあります。

 

今や煙草は世界の嫌われ者ですし、

酒も毒、砂糖も毒となんでも毒だらけ。

 

カロリーの高いバーガーや

揚げ物なんてもっての外。

 

恋愛だって悪い男、悪い女に

ひっかかるリスクがあります。

 

賭け事なんてとんでもない!!

 

 

・・・だから何!?

 

 

私はちょっと危険な美女と

デートするのはワクワクしますし、

肉汁たっぷりのバーガーを食べ、

スコッチと葉巻を楽しみます。

 

安全で健康な事は結構な事ですが、

その為に美味しさ、楽しさを減退させ、

リスクの先にある色気や粋を

失いたくはありませんからね♪

 

スムーズなスムージー人生より、

リスクの先にある楽しさに

BETしたいですね~

時に火傷をしながら(笑)

 

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