ラスベガスでの銃乱射事件以降、

何十度目か分からない

銃規制の議論が

アメリカで起こっています。

 

この議論は、

警察に守られることなく

西部を開拓した歴史を持つ

アメリカの自由と開拓の精神に

根付く議論であり、

恐らくアメリカから民間の銃が

消えることは無いと思われます。

 

さらに、この議論を

安全保障の観点から論じれば、

安全保障論、核廃絶論の

根本を理解する上で重要な

論点を提示してくれます。

 

この記事を読み終わった時には、

何故世界に軍隊があり、

核廃絶が進まないのか、

そしてアメリカから

銃が無くならないのか、

理解出来ると思います。

 

 

LAでの高校時代、

友人の多くは

ギャングやマフィアといった

ヤンチャな連中でした。

 

勿論友人では無いヤンチャ連中も

ゴロゴロと居る中、

当時の私の生計は、

そんな連中を相手にした

ギャンブルや、金貸し。

 

そんな私を見て友人のマフィア君が、

 

「護身用に銃持てよ~」

 

と持ち掛けます。

 

その銃、

組織が裏ルートで仕入れている

線状痕の登録がされていない

撃ってもバレない銃なのだとか。

 

それがたった60ドルで

手に入ったのですが、

撃たない銃に持つ価値無し、

と断りました。

 

 

さて、

これがアメリカの、

そして世界の現実です。

 

陸続きのアメリカ、

合法な銃も溢れていますが、

簡単に違法な銃さえ

入手することが出来ます。

 

アメリカ中の合法銃を

民間から取り上げた所で、

違法な銃が

犯罪者の手には残ります。

 

犯罪者には銃、

被害者候補には武器無し。

 

これで犯罪者は安心して

犯罪者の家以外ならば

誰の家にでも侵入できます。

 

つまり、銃規制は

犯罪者こそ利する規制となります。

 

 

「全員が手放している

確証が得られない」

 

 

この事が銃規制でも

安全保障論でも核廃絶でも

重要なキーワードとなります。

 

世界から核兵器を無くそう、

なんて私から見れば

白昼夢のような議論があります。

 

世界のリーダーは

「核兵器は悲劇だ」

とは語りますが、

それを手放そうとはしません。

 

 

何故か。

 

 

現在の核保有国が一斉に、

そして確実に

核兵器を廃絶したとして、

本当に全ての国が手放した

確証が得られないのです。

 

たった一発でも

世界最強の兵器が残っていた場合、

それを手にしているものが

世界の王になってしまいます。

 

アメリカもロシアも

それを望まないばかりか、

仮にそれを手に残したのが

北朝鮮や核テロリストだった場合、

世界は混沌と絶対君主制の

時代となってしまいます。

 

 

終戦後、マリアナ諸島で

アナタハン島の女王事件が起こります。

 

日本人男性32人と女性1人が

島に残されます。

 

島にあった2丁の銃は

権力の象徴となり、

女性を巡る争いから男性13人が

死亡または行方不明となります。

 

 

この事件における銃の存在は、

そのまま現代社会における

核兵器に置き換えられます。

 

その危険性を

核廃絶は秘めています。

 

これだけ核兵器の技術が

浸透した現在、

仮に廃絶を出来たとしても、

作ることは容易ですからね。

 

「全員が手放している

確証が得られない」

 

銃規制議論も核廃絶論でも、

危険性を低減化させることを目的に、

危険性を高める、という

矛盾した中に存在しています。