国際情勢を見ていく上で、

夢想家は

国家が手を取り合って

経済協力と援助の下で

世界が成り立っていると

思っていますが、

現実的には

経済力・文化の「ソフト・パワー」、

軍事力の「ハード・パワー」が、

自然状態下での全方位闘争状態、

狩るか狩られるか、

パワー」が物言う

世界となっています。

 

 

その現実に目を向けなければ、

まずは国際情勢を巡る

ニュースを理解出来ませんし、

政治家であれば

国家の立ち位置を読み違えます。

 

安全保障を知らずして

世界は語れず。

 

それが現実です。

 

 

そんな国際情勢を読み解く上で、

単純ながら重要な

キーワード・理論に

 

「バランス・オブ・パワー」

 

があります。

 

この理論に

否定的な学説もありますが、

そんな難しい学会の事情は

どうでもよいので、

この理論のベースさえ

一度知ってしまえば、

一気に世界の動きが

腑に落ちるようになります。

 

理論は簡単、

国家は天秤が釣り合うように

同盟を組む、

というもの。

 

この理論、

国際政治だけでなく、

市場経済、

裏社会や不良の行動原則、

色々な場所に応用可能です。

 

AとBが対立した時、

AがCと同盟を組んでいる場合、

BはDと同盟を組み勢力の均衡を図る、

というものです。

 

国家でも、企業活動でも、

こんなパターンよく見聞きしますよね。

 

昨日の記事で言えば、

地元のアメリカ人ギャング組織に

対抗するために、

香韓泰日が連合を組みました。

 

日本人は組織も無く

不本意でしたけどね(笑)

 

それでも劣勢に回った連合ですが、

L君の組織が出てくるよ、

と交渉に当たることで

突如均衡が成立し、

和平成立の形となりました。

 

仲直り、ではありません。

 

先日の

相互確証破壊=MAD

の理論では無いですが、

互いが壊滅的打撃を受けることを

嫌がったための和平です。

 

私が高校生活の中で

安全保障の存在に目覚めたのも、

頷けますよね(笑)

 

 

この理論を基に

国際情勢を見ていけば、

各国の動きに見えざる力が

働いていることが分かります。

 

現在のシリア情勢。

 

圧倒的に不利な状況に

追い込まれていたアサド政権ですが、

ロシアが本格的に介入に乗り出すと、

欧米の反体制派への支援は

目に見えて減少し、

政権側の勢力が優勢となります。

 

政権軍VS反体制派VS「IS」

というシリアの構図ですが、

その後ろに誰が居るのか、

まで見ていかなければ、

本質は見えてきません。

 

ISを支援してきたのは

サウジアラビアとも

言われていますが、

それは中東における

スンニ派とシーア派の

対立があります。

 

フセインはスンニ派でしたが、

イラク戦争後イラクは

シーア派が指導層になり、

シリアも

スンニ派が国民の大勢ながら

指導層はシーア派の一派です。

 

それに対してISはスンニ派ですので、

これを支援することで

スンニ派国家の拡大を図る思惑が

見え隠れします。

 

敵の敵は味方の理論です。

 

 

先月、

サウジを中心とする中東諸国が

カタールとの断交を発表しますが、

それらの話も

中国の一体一路構想も

北朝鮮を巡る六か国の立ち位置も、

「バランス・オブ・パワー」の理論を

知った上で読み解いていくと、

一気に深く読み解くことが出来ます。