一般的に、

「軍」というと

厳ついイメージを持たれます。

 

しかし、その「軍」の中でも

主戦場の違いによる

個性の差はあるようです。

 

「陸・海・空」に

自衛隊は分かれていますが、

世界的にも

「陸軍・海軍・空軍」に

なっているのが主流です。

 

国によってはそこに

「海兵隊」や

「沿岸警備隊」などがありますが、

戦いの主戦場は

陸上、海上、空、となります。

 

近年はサイバースペース、宇宙も

「新しい戦場」として

確立されましたが、

今回は割愛します。

 

 

日本でも戦前から

陸軍は泥臭く、

海軍は洗練

そんなイメージがあります。

 

さらに、航空隊の隊員たちには

自由人が多かったりしますが、

これは万国共通のようです。

 

 

陸軍はどうしても

泥の上が戦場ですし、

国防に関しては最後の砦、

「俺たち」で国を守る、

という意識が強くなります。

 

一方、極端に異なるのが空軍。

 

国防に関しては

先兵であり最前線中の最前線。

 

「オレ」がやってやる、

の意識が強く

唯我独尊タイプの軍人が

多いと聞きます。

 

 

この軍人の意識の差、

安全保障の基本を考えると

分かりやすく

理解もしやすくなると同時に、

その意識の差から

安全保障理論も分かります。

 

 

例えば、

ある島を巡る攻防があるとします。

 

そのA島を占領するには、

島を守る守備隊を

撃破する必要があり、

陸軍の出番となりますが、

その前に

「上陸」の過程が必ずあります。

 

安全に陸軍を上陸させるためには、

海上の安全=制海権の確保

が必須条件となります。

 

つまり、

陸軍の前に海軍の出番となります。

 

しかし、太平洋戦争以降、

海上の安全の確保の

絶対条件として

空の安全=制空権の確保

が条件となりました。

 

海上を時速40キロ程度で

2次元に航行する船舶では、

時速数百キロで

空を3次元に飛び回る

航空機の集団には勝てないことは、

太平洋戦争での戦いから

明らかとなりました。

 

つまり、海軍の前に

空軍や海軍航空隊の出番となります。

 

戦う順序として、攻撃側も防御側も、

空軍が制空権を確保し、

その後海軍が

制海権を確保した上で、

陸上での戦闘、

の順になっていきます。

 

 

航空機のパイロットたちは、

一度空に飛び立ってしまえば、

階級によって

序列が決まる世界では無く、

自分の腕1つで戦果を挙げ

序列が決まる世界。

 

自分こそがNo.1の自負を抱き、

空に飛び立って行きます。

 

その為、個人である

「オレ」

の意識が強くなるようです。

 

 

実際の国防となると、

「領土」の他に、

周囲12カイリの「領海」があり、

その上空に

「領空」が設定されています。

 

つまり、陸地の外周に

12カイリ分の海があり、

そこを通らなければ

日本の領土には到達しませんが、

航空機でしたら数秒の世界。

 

そこで、領空の外側に

接続水域や防空識別圏という

ゾーンを設定し、

領海・領空への接近に備えています。

 

そこへ近付く敵に対し、

まず対処するのが

先兵となる「空」、

次に対処するのが

海の男たちの「海」、

そして万が一上陸を許した場合、

最後の砦となる「陸」。

 

主戦場と求められる役割、

必要とされる

個人の資質の差による、

軍の個性の差は、

国防における戦う順も、

何となく示している気がします。