最近の「保護貿易」というと、

アメリカのトランプ政権を

思い浮かべると思いますが、

貿易依存度の低下への流れは

2014年のロシアによる

クリミア編入を経て

欧米によって発動された

経済制裁以降加速しています。



ロシアは農産品や医薬品、

軍需産業の自国シフトを強め、

制裁を課してはみたものの

ロシアという

マーケットを失った欧州もまた、

自国マーケットの

少ないパイを奪い合うため、

輸入品への

風当たりが強くなりました。



昨日の記事で、


「貿易依存度の高い国は

紛争行動を起こし難い」


と書きました。


また、トランプ政権を指して

「反グローバリズム」

との批判を聞くことがあります。


この2つを聞くと、

「保護主義」は

諸悪の根源のような

イメージを持ちますが、

必ずしもそうとは言い切れません。



貿易依存度が上がれば、

他国が国家の生命線を

握ることとなり、

リスクの高い軍事行動を

起こす可能性は低くなりますが、

他国が国家存続の

主導権を握ると言う事態が生じます。


日本は資源自給率、

食料自給率が低いですが、

特に食料自給率の低下は、

第三国が蛇口を閉じれば、

即日本崩壊を招く危険性を

常に抱えている状態です。


また、産業における生産国が

外国へとシフトすることは、

自国内の雇用の消失及び

失業率悪化を必然的に招きます。


「グローバリズム」

という美辞麗句を述べ、

生産国の外国シフトを主導する

政治家は売国の徒でしょうし、

利益を追求するのが

組織としては正しいとは言え、

自国の雇用を創出しない

経営判断をする

企業、経営者もまた

褒められたものでは無いと思います。



「グローバリズム」

が正しいというイメージは、

発信力が強い

多国籍企業によって作られた

「印象」でしかありません。


国際協調をもたらす

自由貿易の枠組みと、

自国の自給率安全保障、

雇用の保護を確保する保護主義、

この2つは二足背反な存在では無く、

どのような絶妙なバランスで

ブレンドするのかという問題であり、

大企業経営者、政治家には、

そのブレンダ―としての

役割が期待されています。