「戦争はいらない」


反戦活動派のプラカードの中に、

この文字を見るようになって

結構経ちます。


左派系の

伝統的定型文なんでしょうね。


「いらない」

という否定形なんですから、

彼らに反対する

右派と呼ばれる人たちは

「戦争欲しい」派

ということですかね。


しかし、

右派の主流となる主張は

戦争推進では無く、

戦争抑止の為の軍備拡充です。


左派の主張では、


軍備拡充⇒近隣諸国を刺激

⇒対立がエスカレート⇒戦争


となり、

軍備拡充論者は戦争肯定派である、

となるようです。


A=B、B=Cの時

A=Cとなる

数式みたいな論ですね。



一方、彼らが言及しない

根本的な問題は、

戦争を「いらない」と言えば

受け取らないで済むのか、

という問題です。



恐らく多くのシリア人やイラク人は

ISも彼らがもたらす戦争も

「いらない」と思っているはずです。


それでもISは

戦争と共にやってきます。


歴史を遡っても、

1939年のポーランド人が

戦争を欲したから

ドイツが攻めて来たのではなく、

ヒトラーの野望の矛先が

ポーランドに向いただけで、

ポーランド人や政府の意図とは

関係が無かったはずです。



地下のマグマも堰き止めた水も、

「圧」は最も弱い場所に

蟻の一穴を開け、

そこから一気に噴き出します。


戦争や混沌の圧力も同じく、

抑止力の最も弱い場所を狙い、

そこから平和が崩れていきます。


世界の混乱地域が、

統治力が弱かったり、失われている

中東や北アフリカ、

東南アジアや中南米に

集中する現実を見れば、

秩序と統制の無い場所に

戦争が生まれることが分かります。



現在、中国は南シナ海の

国際的に中国の領有が

認められていない島々で

着実に軍備増強を行い、

戦闘機の配備まで

自衛権の一環であると

主張して進めています。


中国が領有権を主張するのは

東シナ海も

南シナ海も同様ですが、

何故南シナ海では軍備増強なのか。


それは自衛隊や米軍が

睨んでいる東シナ海に比べ、

南シナ海で

領有権の主張がぶつかる

ベトナムやフィリピンの軍備が

脆弱だからです。



戦争は「いる」「いらない」では無く、

隙があれば、

そこに勝手にやってきます。


日本は戦争押し売りさんを

隣国に抱える

安全保障環境にあることを、

認識することが重要です。