日本の最新鋭主力戦車は

「10式戦車」です。


2010年から

調達が開始された戦車ですが、

「じゅっしき」では無く、

「ひとまるしき」と読みます。


戦車には○○世代と呼ばれる

特徴があり、

現在の最新鋭は

3.5世代戦車と呼ばれますが、

10式戦車はまさに

3.5世代戦車の代表格の1つです。


実戦経験などから、

「最強戦車」と言うと

米軍のM1A2エイブラムズ、

英軍のチャレンジャー2、

ドイツのレオパルト2A5などが

候補に挙げられますが、

10式戦車もそれらに負けない

性能を誇ります。


様々な特徴がありますが、

特筆すべきは

走行時でも砲塔の照準が

ぶれないことです。



戦車は、自走砲などと同様に

「大砲を積んだ車」

と広義では言えると思います。


そして大砲は、

止まって撃つ方が

当然ながら照準が安定します。


制止して弓を放つのと、

馬上で放つ流鏑馬で、

どちらが難しいのかと

同じ論理です。


弓でも銃でも大砲でも、

何かを放つ兵器の場合、

静止状態の方が

照準としては理想的となります。


しかし、自走砲が

後方からまさに大砲として

射撃するのに対し、

戦車はその誕生時から

最前線で前線を突破し、

歩兵の盾となる、

ラグビーやアメフトにおける

フォワードの役割が

期待されています。


すると、機動性も重視されます。


制止していれば、

敵戦車からも

敵兵の対戦車ミサイルからの

攻撃にもさらされる危険性は

増しますしね。


そのため、現在の戦車は

走行時でも射撃が出来、

その照準がぶれないものが

多くなっています。


ただ、

その走行は「直線走行」に

限られていたりすることが

多いです。


しかし10式戦車では、

「スラローム走行」でも

照準を一定に保つことが

出来るようになっています。



今月10日、陸自のイベントでは

その能力を広く披露しました。


主砲の先端にワイングラスを置き、

そこにワインを注ぎます。


そしてそのまま

車体を傾斜させたり、

旋回したりしますが、

グラスに注がれたワインは

一滴も零れ落ちません。


激しく動いてもワインを零さない。

ソムリエ並の

グラスコントロールです(笑)


これは、悪路での

戦闘走行中であっても、

敵に向かっての照準がぶれず、

正確な射撃が

可能であることを示しています。



勿論、

この10式戦車が活躍する、

ということは、

敵部隊が日本の国土に

上陸していることを意味しますので、

活躍の場と機会は

無いかも知れませんし、

無いように願います。


しかし、仮に日本の敵性勢力が

日本上陸を企図している場合、

戦う相手に

スラローム走行していても

照準を外さない

大砲担いだスナイパーがいることを

国内外に示すことで、

国民に対しては安心を、

野心がある隣国に対しては

危機感を与えます。



周辺国に対して不安を・・・

なんて言う勢力もいますが、

日本に対して

領土的野心が無ければ

「危機感」も「不安」も生まれません。


大きなオモチャだと

思って頂いても結構です。


しかし、日本に

領土的野心がある勢力にとって、

10式戦車の存在は

「脅威」であり、

「危機感」を募らせるでしょう。


そして彼らの野心が

計画段階で挫けた場合、

これを「抑止力」と呼びます。