フランスでは9月の新学期から

「道徳」教育が

学校で始まったようです。


そして、様々な意見、

反論が寄せられています。


どこの国も

抱えている問題は同じですね。



「何が正しいのかなんて

 家族が教える」


という、

日本でも聞くような反論から、


「私たちには私たちの文化があり、

 国が決めたものを

 押し付けないでくれ」


という移民による反論もあります。



昨年頃から、

欧州を直撃している問題の1つは

中東の混乱に端を発する、

「移民系自国民による

 テロ組織参加」

というものがあります。


生まれも育ちも

英国やフランスながら、

アラブ系移民の2世、3世で

イスラム教徒の若者が、

過激思想に染まり、

国内外でテロの関与する

といった問題があり、

社会の統一性をいかに保つのかは

喫緊の課題となっていました。


そんな中で始まった道徳教育。


移民には、

自分たちのアイデンティティを

否定する政策と映る可能性は

確かにあります。



私自身、

アメリカに実家がある者として、

移民の民族性と

現地の文化との距離感の

難しさは感じます。


母国の言語や文化に

誇りを感じながら暮らすことは

重要だと思います。


しかし同時に、移住先に住む以上、

現地の文化や風習に馴染み、

従う必要も当然あります。


私が通った中学では、

毎週朝礼で全校生徒で

星条旗に忠誠を誓いました。


私は星条旗よりも

日章旗や旭日旗にこそ

忠誠を誓いたいですが、

アメリカ文化の1つとして、

私も右手を左胸に置き、

星条旗への忠誠の文言を

今でも口ずさめる程に覚えました。



英国には英国の、

フランスにはフランスの、

自国で暮らす人に

共有しておいてもらいたい価値観や、

知っておくべき風習、文化、

歴史があります。


それらが「道徳」という形で

教科になるのは

日本もフランスも変わりません。


経済的メリットは享受するけれど、

伝統や文化、価値観は受け入れず、

自分たちの

好き勝手にやらせてもらう!!


これでは

移民政策は当然のことながら、

教育そのものが成り立ちません。


宗教や政治などの

「信条」は自由でも、

その国で生きていく以上、

共有すべき「価値観」はあります。



「道徳」を導入するフランス政府と、

それに反発する移民、

そして移民系自国民の

テロに悩むフランスの姿を見て、

改めて道徳教育の

重要性を感じました。