「安全保障」と言えば、

軍隊、兵器を思い浮かべることが

多いと思います。


実際、ウクライナ東部、

イラク、シリア、イエメン、

エジプトを含むアフリカ北部など、

激しい戦闘が日々続く地域は

世界中にあります。


それらの地域が

「最前線」であることは

言うまでもありませんが、

私たちが日々利用している

スーパーもまた、

「最前線」の一翼を担っています。



現在、クリミア問題を契機とした

アメリカによる対ロ制裁に呼応して、

欧州各国も対ロ制裁に踏み切り、

それに対してロシアもまた

経済制裁を欧米に対して

課しています。


この結果、ロシアでは

主要欧州産の食品の輸入が

禁止となっており、

それでも続く密輸入を摘発し、

大量の欧州産食品を

廃棄処分しています。


当然、正規ルートでの輸入が

禁止されたのですから、

食品余剰が生まれるのは欧州です。


フランスなどでは

ロシアに輸出していた

乳製品が売れなくなり、

価格も下落、

生産者の不満はピークに達し、

フランスを代表する観光地

モンサンミッシェルに続く一本道や

各地の主要高速、幹線道路などを

トラクターで農家の人たちが

封鎖したりしています。


また、スーパーや国境に押しかけ、

自国産以外の食品を見つけ出す

魔女狩りならぬ輸入食品狩りを行い、

輸入品が多いスーパーには

家畜の堆肥などを撒き散らす

強硬手段に及んでいます。



ロシア、欧州双方に

共通するキーワードは食料自給です。


経済制裁の結果、

ロシアは欧州産の禁輸を決め、

自国の農業の育成に

力を注ぐようになり、

欧州各国もまた、輸入問題に揺れ、

地産池消で自国農業を守れ!!

と農家が立ち上がっています。


ロシアが強気の

対抗措置を取れたのは、

自国農業への自信があるからです。


日本の食料自給率では、

輸入が無くなれば

国民の日々の食生活だけでなく、

経済的にも

大打撃を受けてしまいます。


安価な乳製品の輸入により、

日本国内の畜産業が

打撃を受けていますし、

先のTPP会合でも、

ニュージーランドは強硬に

乳製品の関税引き下げを

求めたと言いますし、

スーパーは安全保障の

最前線と言えます。