ある名門中学校の入試問題を見ました。



「基本的人権を尊重することが、

 なぜ戦争の無い社会に繋がるのか」



と言う設問に答える

小論文と言うか作文の問題です。



小学生では無く、

大学院も出た私の答えは一言、

「繋がりません」

と言うものとなり、

確実に受験に失敗するでしょう(笑)


この問題、設定に無理があります。


相手が小学生ですから、

小6で学習する日本国憲法に関する知識を

ベースにしているのでしょうけど、

「基本的人権」は国内問題であり、

「戦争放棄」は外交問題。


全く次元が異なるものを、

同列に扱っています。


確かに、戦争が起こった場合、

基本的人権は脅かされるでしょう。


これを「風が吹けば桶屋が儲かる」

の論理で言えば、

「風が吹く」から「桶屋が儲かる」のであって、

「桶屋が儲か」れば

「風が吹いてくる」訳ではありません。


つまり、戦争時に

基本的人権が脅かされるからと言って、

逆説を用いて基本的人権を守れば、

戦争そのものが起きない、

との思考は100%誤りです。



この問題が

受験で出ていることを推察するに、

その文章の組み立てが論理的に正しくても、

「繋がらない」と言う主張に属する解答は

恐らく不可でしょう。


と、なるとこの中学校が欲する生徒は、

①長い物に巻かれる生徒、

②左寄りの主張に染まりそうな生徒、

と言うことだと思われます。


内政と外交、国内政治と国際政治、

全く別の存在を混同しているこの問題、

作成者は、知識不足によって間違えのか、

意図的に小学生の思考を

誘導しようと作成したのか。


後者だとすると、

こういう人物が教育に関わっていることが、

日本の国家的、教育的安全保障を

脅かしています