手品を得意とする訳ではありませんが、

子供なら騙せる程度の手品なら

数個は知っています。


手品で重要なことはミスリード。


相手の意識を核心部分以外に向けさせ、

トリックを巧妙に隠します。


さて、私はプロパガンダ(政治宣伝)を

研究しますが、そこで用いられるのも

ミスリードによるトリックです。



現在、マレーシア機の撃墜が

世界的ニュースになっています。


そして、私は当然

ロシアの肩を持つ訳では無いものの、

情報戦の専門家としては

中立を現状では保っています。


ここに来てアメリカが積極的に

情報を発信しています。


これまで非常に及び腰で、

クリミアのロシア編入も

半ば黙認してきたアメリカですので、

これまでとの態度の違いに驚きます。


国際社会に先駆けて、

ロシアの関与を示す証拠は山ほどある、

と国務長官がテレビで発言していますし、

振り上げた拳の行く先を心配する程に、

強硬な情報発信が目立ちます。


それ程事前に情報が収集されていたのなら、

今までの態度は何だった??

となりますからね。


突然の積極的かつ強硬姿勢で

対ロシアの情報発信、

少し時系列を整理します。


現在、ウクライナ東部と共に

紛争最前線になっているのが

パレスチナのガザ地区。


撃墜日と同じ17日から始まった

激しい地上戦で民間人含めて

数百人の犠牲者が既に出ていますが、

侵攻軍のイスラエルを

隠すことなく支援している国がアメリカです。


親ロシア派とロシアの関係以上に

明確で密接な関係を

長期に渡って続けています。


イスラエル軍の軍事侵攻と

時を同じくして激しさを増す

アメリカのロシア批判。


撃墜の事実がどこにあるのか、

それをアメリカがどれほど正確に

把握しているのかは分かりません。


しかし、明らかな方針転換を前に

少し疑いつつ情報に接しないと、

まさにトリックを見逃す危険性もあります。


誰かが「こちらに注目!!」と言う時は

他方に何かがある時ですからね。


情報の世界での戦争は始まったようです。