1993年に中東和平への希望を

一瞬だけ抱かせたオスロ合意、

結局今も中東では

対立が続いていますので、

必ずしも高い評価を

受けるものではありません。


しかし、

このオスロ合意の評価すべき点は、


①イスラエルはPLOを

 パレスチナ自治政府として認める。

②PLOはイスラエルを国家として認める。


と言う相互承認が明記されている点です。



そのため、オスロ合意の正式名称は

「暫定自治政府原則の宣言」と言います。



それまでイスラエルとPLOは、

互いを認めておらず、

自国内暴力集団との戦いを

繰り広げていた形でした。


しかし、それでは和平を築こうにも、

交渉相手がいないこととなり、

まずは「相手が存在する」

と言うことを認めたことが、

この合意の最大の功績と言われています。


たったそれだけ??

と思われるかもしれませんが、

相手がいて初めて和平が成り立ちますから、

和平への希望がゼロだった場所から、

和平の可能性が生まれる場所へと、

互いに歩を進めた形となります。



一方、国際的には広く認知された

「国境」を隔てて存在する

北朝鮮と韓国ですが、

こちらは不思議な状況が生まれています。


日本の集団的自衛権の議論に、

遠方から参戦した韓国ですが、

韓国の憲法第一章第三条において、

その領土は朝鮮半島全土と

その周辺諸島となっています。


そのため、仮に日本が米国と共に

北朝鮮で作戦行動を取るとして、

それは韓国の法律によって禁じられている、

と国防部の報道官が述べています。


確かに、

朝鮮戦争の休戦協定に署名したのは、

国連を代表するアメリカ陸軍の将軍と、

北朝鮮側の将軍で、

韓国との間では無いのですが、

これだけ明確に国境線があり、

それを根拠に

越境攻撃だ!!など言うんですけどね。


板門店などで行われている交渉も、

全土が韓国領の前提に立つと、

あれ誰とやっているんでしょう??


休戦協定に亡霊がいるのか、

交渉に幽霊が参加しているのかは

分かりませんが、

存在しない相手との休戦協定を基に、

存在しない相手と交渉していることに、

少なくとも憲法を理解し、

日本に対する主張を聞くと、

なってしまうんですよね。