「戦車」と言う兵器に関して、
財務省と防衛省の間で
現在熱い議論があります。
戦車には、
特別な決まった定義が
ある訳ではありませんので、
その国が「これは戦車だ」と言い張れば、
戦車になってしまう存在でもあります。
ただ、一般的な定義では、
①キャタピラを履いている
②全周回砲塔
③敵戦車を撃破する主砲
④重装甲などが挙げられます。
そして、「機動戦闘車」と言う
防衛省が開発中の兵器が議論の中心。
これは現在開発中で、
試作車が昨年公開されましたが、
戦車のようなボディに、
8輪のタイヤを履き、
全周回可能な10.5㎝砲を装備しています。
問題は、これが「戦車」か否かです。
ボディや砲塔は戦車そのもの。
現在の最新鋭戦車
「10式戦車」は12㎝砲ですが、
未だ現役の2世代前の戦車は10.5㎝砲ですし、
戦車の定義の②と③はクリアしています。
ただ、世界の主力級戦車が60トンほどの中、
日本の国土に合わせた
軽量の10式戦車でも44トン、
この機動戦闘車は26トンで、
装甲が戦車並に強いとは言えません。
さらに、何よりもキャタピラでは無く
タイヤを装着しています。
ただ、そのルックスと主砲から
「装輪戦車」と呼ばれることもあり、
装甲車と戦車の中間点であることは事実です。
日本は、防衛大綱の中で
戦車を600両から300両へと
減らしている最中ですが、
財務省としては、
この機動戦闘車を「戦車」として扱って、
戦車&機動戦闘車で300両として予算を減らしたい。
一方の防衛省は、
旧式の74式戦車を10式戦車への置き換え中ですが、
戦車で300両確保した上で、
機動戦闘車に別枠で予算を獲得したい、
と言うせめぎ合いが起こっています。
まさか、防衛省と財務省の間で
「戦車論」が白熱するとは(笑)
なお、ブリヂストンに関して
5年ほど研究したこともある私としては、
この国産で開発中の機動戦闘車の8輪のタイヤが、
ミシュラン製なことの方が、
戦車か否かよりも気になるのですが・・・(笑)