中国が設定した防空識別圏の範囲が

日本の防空識別圏と被っています。


まず前提として、

防空識別圏と領空は異なります。


領空は領土及びに

領海の上空に設定されており、

国土からは12海里の範囲になります。


この12海里=22キロ程度の距離、

船舶でしたら領海侵入から

領土への接続まで

軍艦でも30分程度はあるのですが、

航空機では一瞬で

領土上空に達してしまうため、

領空の外側に防空識別圏を独自に設定し、

そこを飛行する航空機の監視を行い、

領空に達する前に自国の戦闘機を

スクランブル出来るようにしています。


この防空識別圏を

他国の航空機が飛行する場合、

フライトプランを防空識別圏を持つ国に

提出するのが一般的です。



問題は多々ありますが、

基本的にこれは

中国が仕掛けて来た外交ゲーム、

チキンレースであり、

アメリカの本気度を試していると

私は見ていますが、

問題の一つは民間機の飛行ルート。


日本と台湾を結ぶルートは

この空域を飛んでいます。


この空域に中国が防空識別圏を設定し、

飛行計画の提出を要求し、

中国の要請に従わない航空機には

武力行使も辞さずと発表していることは、

日本、台湾の航空会社に対する

踏絵と成り得ます。


飛行計画を提出すれば、

中国の設定を日本や台湾が容認をしたと

中国は捉えるでしょう。


しかし、提出しなければ

同空域を飛んでいる時に撃墜、

若しくは中国空軍機によって

中国への強制着陸を求められる

危険性もあります。


それを避けるために航空自衛隊機が

民間機の護衛に付くような事態が生じれば、

もう既にそれは戦時ですし、

現実的ではありません。


単に尖閣諸島への

ちょっかいの度合いを深めただけでは無く、

日本、そして台湾の出方を伺ううえでは

非常に重要な空域を設定してきました。


既に日本の航空会社は

飛行計画を中国側に提出したようですが、

今後飛行ルートを変更するのか、

そこも注目点となりそうです。