政治思想と言うと、

右翼、左翼なんてよく言われ、

安全保障的立場から

論じられることもありますが、

安全保障はあくまでも

外交に対するスタンスなだけで、

純粋な政治スタンスと言う意味では

2つの自由に対する組み合わせで

決まると言われます。


「経済的自由」と「社会的自由」です。


これを「高い」「低い」にそれぞれ分けると、

4つのカテゴリーが出来上がります。


経済的自由低  |  経済的自由高

社会的自由高  |  社会的自由高

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経済的自由低  |  経済的自由高

社会的自由低  |  社会的自由低


経済的自由を高めると

自由主義経済となり、

小さな政府で

なるべく経済に政治はノータッチとなります。


一方で低所得者への

富の再配分を行うために税率を上げ、

経済的自由を低くすると言う

考え方も当然あります。


社会的自由は、

国の価値観や規範、伝統的価値観を

政治で縛るか否かとなり、

社会的秩序と自由のバランスの話です。


二つの自由が共に低いと、

「全体主義」「共産主義」などとなります。


経済的自由は高いが、社会的自由が低いと、

「保守主義」「自由主義」となり、

日本なら自民党、アメリカなら共和党の本流、

イギリス保守党などがこれになります。


逆に経済的自由は低く、社会的自由が高いと

「社会民主主義」「リベラリズム」となり、

アメリカ民主党、

イギリス労働党などがここです。


そして、全てが高いと「リバタリアン」と呼ばれ、

国家は個人には何もしてくれるな、

と言う思想となります。


この4種に政治思想は大別され、

多くは保守VSリベラルの構図となり、

2大政党制が成立するのですが、

複雑さを見せるのが現在の共和党。


基本スタンスは自由主義なのですが、

レーガン政権以降

両ブッシュ政権まで力を持った

「ネオコン」と呼ばれる人々は、

元は民主党支持層で、

民主党の孤立主義的外交政策を批判して

共和党へ鞍替えした人々。


そして、2010年代に急激に力を増したのが

「リバタリアン」。


独立前からのアメリカの超保守本流の思想を

受け継ぎ、孤立主義政策を信条とします。


彼らもまた、共和党へ入り、

現在では大きな勢力を持ちます。


今回のシリア問題でも、

古い顔の共和党重鎮が

積極介入を叫ぶ一方で、

若手共和党議員が介入反対を表明したのも、

こんな流れがあります。


3つの思想を内包する共和党、

なかなか複雑なことになっています。



日本の自民党とは伝統的に関係が良いですが、

これまでの日本の安全即米国の利益と

軍事力をちらつかせてくれた共和党では無く、

孤立主義政策の支持者が力を持つ

2010年代版共和党、

日米関係含め、どうなっていくんでしょうね