バーテンとして
カクテルを作って来た経験が
ありながら言うのもあれですが、
「美味い酒」を突き詰めた時、
カクテルよりはストレートに行き着きます。
美味しいカクテルは数多くあり、
腕利きのバーマンが
的確な動きで作った一杯は
至福の時間となり、
友人との時間やデートを楽しむ場面で
最高の演出をしてくれる楽しい相棒です。
一方で、酒類の競争が激しくなり、
どんどん美味しさを追求して
洗練されているのが、
ワイン、ウィスキー、ジン、テキーラなど原酒。
日本酒や焼酎なども
年々美味しくなってますね。
カクテルは素材と素材を混ぜ、
1+1を相乗効果で
3にも4にも美味しくしていますが、
素材そのものの味をとことんまで追求し
極めた味には敵わない気がします。
これらを楽しむ時、
静かに一人で過ごす
バータイムの方がマッチします。
友人と語らえば、楽しい話の続きのため、
口中の余韻は楽しみきれませんし、
デートをしていれば
美味しさに酔っているのか、
恋に酔っているのか分からなくなりますしね。
Port Ellen30年、
今まで飲んだ酒で最高の逸品。
もう蒸留所が閉鎖となり、
飲める機会はまず無い
貴重な名門スコッチです。
エレンとのキスの余韻を埋めるのは、
スローなジャズのベースラインと、
都会の喧騒を煙の奥に消していく
モンテクリストの優雅な香り。
優し過ぎる程の口当たりの良さから、
アイラモルト特有の
個性ある強い香りが飲み終わった後、
徐々に口中から鼻に抜けていきます。
酒ある風景、
大人に許された極上の遊びですね。