映画『連合艦隊司令長官山本五十六』

を観ていて、山本が甘味屋で

店の小さな女の子に碗を渡す時、

女の子が驚いて

碗を落とすシーンがありました。


女の子が驚く理由、

山本をある程度知らないと分かりません。


山本は日露戦争時に日本海海戦に参加し、

自艦の大砲が暴発し、指を落としています。


指の無い山本が碗を渡したので

女の子は驚いたのでしょうけど、

画像的に手が映るのは一瞬だけですし、

指が無いことに関する説明は一切無く、

「昔そそっかしくて」と

女の子に語りかけるだけ。


これでは山本五十六を

映画で初めて知る人には

全く意図が分からないシーンとなりますね。



また、山本と同郷の

部下の士官パイロットという

架空の人物が登場します。


零戦に乗る彼は

真珠湾攻撃に参加し敵機を墜とし、

ミッドウェー海戦でも

空母ヨークタウン撃沈に関与し、

その後はラバウル航空隊所属になるという

歴戦のパイロット設定なのですが、

真珠湾では敵機を墜としホッとして

油断している間に後方から敵機に撃たれ、

最期はラバウルで太陽をまともに正面に受け、

逆光で視野が無くなった所を

太陽を背にした敵機に撃たれる、

というパイロットとしては

三流以下の失態を繰り返します。


映画の演出上の必要性なのでしょうけど、

開戦当初の機動部隊所属の

精鋭パイロットが戦闘中に

敵機を墜として有頂天で周りを見なかったり、

太陽に突っ込むように

飛ぶなんて絶対にありえません(><)



時間的制約等あるでしょうけど、

史実をベースにする作品で、

粗い演出を見るとなんだか一気に冷めますね。


史実は史実、映画は映画、

過度な演出や事実誤認は

多数の映画で見られますが、

海軍航空隊の活躍を色々と知るだけに、

設定上は歴戦の精鋭パイロットの、

初歩中の初歩の失態の連続に

ちょっとガッカリでした(苦笑)